ディビジョン感想/評価/レビュー なぜダークゾーンから抜け出せないのか【ベータ版】

The Division(PC/PS4/XboxOne)のオンラインマルチプレイで遊べる”ダークゾーン”に潜ってばかりだった理由は、レア度の高い装備が欲しいだけでなく、裏切りやローグの出現など予想外な出来事に遭遇したかったから。スキルやパークが微妙だと急に飽きるかも。不満点や課題についても。

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ディビジョンとは

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『ディビジョン』(Tom Clancy’s The Division)はウイルスの大流行によって荒廃してしまったニューヨークが舞台の、カバーアクション・レベル制・TPS(三人称視点シューティング)・ハックアンドスラッシュ・オープンワールドが特徴的なアクションシューターRPGです。開発元はMassive Entertainment、発売元はユービーアイソフト(Ubisoft)。

カバーアクションというのは遮蔽物に隠れて銃を撃ったりできることで、ハックアンドスラッシュ(以下、ハクスラ)とは装備やアイテムを入手して敵を倒すのを繰り返していくことです。

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ディビジョンの発売日は日本では2016年3月10日、海外では現地時間で2016年3月8日となっており、PC/PS4/Xbox One版がそれぞれ販売されます。

そんなディビジョンのベータテスト(PC版)に参加してきました。ざっくり言うと、「ダークゾーンってダークホールみたいだなあ」と思いました。

※ベータテスト時点でのレビューなので、製品版とは多少仕様が異なっている場合があります

ダークゾーンってなに?

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ダークゾーンとはゲーム内で行き来できるPvE・PvPエリアのことです。

ダークゾーンでは、他のプレイヤーと協力してNPCを倒したり、汚染エリアに潜ったり赤の他人を殺したり、あるいは仲間を裏切ったりすることで装備(メインウェポン・ボディアーマー・マスク・ニーパッド・装備MOD)や、ダークゾーンショップで使用できるDZクレジット(DZファンド)、ランクを上げるために必要なDZXPなどを獲得できます。

ディビジョンにはオンラインマルチプレイができるダークゾーンとは他に、「シングルプレイでストーリーモードが遊べるエリア」や「ミッションを協力プレイ(Coop)で楽しめる要素」があるわけですが、結局なんやかんやでダークゾーンから抜け出せなくなっていました。

なぜダークゾーンから抜け出せないのか? それは貴重な体験を得たいから

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ダークゾーンについつい潜ってしまい、気付いたら1時間以上も装備を求めて戦っていた…という経験はディビジョンをプレイしたことがある人なら誰にでもあるでしょう。なんでダークゾーンから抜け出せなくなるのかというと、レア度の高いアイテムが欲しかったり対人戦がしたかったりというのもありますが、それだけじゃないと思うんです。

やっぱり、「ダークゾーンでしか得られない経験」を得たいからなんです。例えばダークゾーンで以下のような経験をしました。

みんな通りすがりだった

賞金首に掛かっている人がいました。

ダークゾーン(DZ)では、他のプレイヤーを殺すと懸賞金がかけられて「ローグ」(賞金首)になり、遠くにいる人にもローグであることが分かるようになります。

ローグ以外の人たちはローグを殺してもペナルティがないし、ローグを殺せば何らかのアイテムが手に入ります。なので、ローグになってしまうとダークゾーンで入手したアイテムを失ってしまう(ドロップする)危険性が格段にあがるのです。ローグ状態が解除される条件は、「一定時間逃げる」か「何らかの手段で死んで状態をリセットする」以外にありません。

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そのローグは残り80秒ほどで懸賞金がはずされるところでした。殺すしかない…そう思いました。

でも、吹雪で前が見えない。猛ダッシュで逃げていくローグ。諦めるしかないか…しかし突如、3人で結成された謎の一団が目の前にあらわれ、自分と並走していることに気付きました。

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「こいつらもあの賞金首を追っているのか」

結局のところ逃げていたローグは一人で戦うことを決めましたが、自分も含めた4対1では到底勝てず、最後にはボイスチャットで嘆きの声をあげながら死んでいきました。

散っていく一団。彼らはグループでもなんでもありませんでした。みんな私と同じ、ただの通りすがりだったのです。

賞金首を殺して物資を奪う。ただそれだけのために、私たちは出会った瞬間に無意識的にも共同戦線をはり、賞金首を一緒に殺すことに同意したのです。

空気を読まないと仲間だと思っていた人から殺される

二人組のとあるグループに「仲間にならないか」と誘われました。協力してある程度NPCを倒したので、仲良くなれたかと思ってました。個人的にはグループでローグプレイがしたかったのに、通りすがりのプレイヤーを一人殺してみたらグループから除外されました。そして、そのまま元グループ(二人)vs自分という不利な戦闘が始まってしまったのです。

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もちろんあっけなく死んで、その後はリスポーンボタンの出現を待っているだけでした。しかし韓国語を話す一団が急にあらわれ、煽るようなトーンで何か喋りながら元グループを撃ちまくっているのです。仲間だった人たちはみんな死にました。

私は「ああ…これがウイルスで滅んだ新しい世界か……」と感傷に浸っていました。

こうなってしまったのは元グループの仲間だった人たちに「ローグプレイをしようよ!」と提案しなかった私が完全に悪いです。グループ内の誰かがローグ状態になっていない人に対して攻撃すると、グループ全体がローグになってしまいます。そうなると他のプレイヤーから狙われやすくなります。

だから、元グループの人が私をグループから追い出したのは当然のことです。しかし、私の中で「油断している人たちを殺しまくりたい」という欲求が湧きあがったのも自然なことで…。

ダークゾーンは人を変えてしまうんだなあ。

ディビジョンは「人の心」を感じるためのゲーム

ダークゾーンにおける「空気を読んで戦う。または裏切る」という作りと、『レインボーシックス シージ』の「空気を読みながら味方と連携する」という作りが「空気を読む」という点で共通していて、この二つのゲームをしているとなんだか「人間社会のほのかなリアルさ」を感じられます。

参考:『レインボーシックス シージ』のレビュー

ディビジョンの場合は、裏切りという現実世界ではコストが掛かってなかなかできないことを気軽にできるのもあって、「ゲームなのに人間の心を良くも悪くも感じられて、しかも刺激的だなあ」と思うわけです。

ダークゾーンで得た装備は、回収地点でヘリをよんで装備を回収してもらわないと使えないわけですが、50%ぐらいの確率で回収地点は裏切りの場と化します。

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装備を送るために多くのプレイヤーが一箇所に集まると、「粘着爆弾を飛ばして皆を爆散させたいなぁ」なんていう欲望がでてきて、結局はその欲望が抑えられなくて粘着爆弾を飛ばして複数のプレイヤーを爆破させてしまうのですが、たぶん皆さんもやってますよね。これぐらいの裏切り。

まとめ

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つまり、ダークゾーンには「何が起こるか分からないというワクワク」と「強い装備が欲しい」という人々の欲求がつまっているのです。一度足を踏み入れると、たとえ理不尽に殺されて物資を奪われても、貴重な体験が得られます。

また、武器Modで改造した銃と新しいスキルの組み合わせが、例えば「複数の仲間が油断しきった時に、ショットガンで不意打ちをくらわせて一人殺してから、盾をかまえつつ逃げるのはどうだろう…?」といった思いつきが、対人戦でどこまで通用するのか試してみたくもなってきます。

だからこそ、何度でもダークゾーンに潜りたくなるのです。もしかすると、協力や裏切りを通じて人とコミュニケーションを取りたいから抜けだせなくなるだけなのかもしれません。

ディビジョンの不満点と課題

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一人でもグループと渡りあえる力がほしい

日本語版の日本語吹き替えだと、たまにNPCが関西弁で話しててニューヨークの雰囲気をブチ壊してましたが、ウイルスによって荒廃してしまった世界で語られるストーリーはなんとなく面白そうでした。ダークゾーンに関してはまだまだ調整すべき点はあるかもしれませんが、特に心配はしてません。

問題なのが「ダークゾーンはぼっちにはキツい」ということ。

一人でも装備をひろって帰ることは可能なんですけど、求めてるのはライフルやアーマーだけじゃないんです。仲間の裏切りだったり、予想外な出来事に遭遇したい。大勢の良心的なプレイヤーをこっぱみじんにしたい。

いつも群れてばかりいる大学生みたいな奴らをケチョンケチョンにしたいんすよ…!! 一人でも複数のプレイヤーと十分に戦えるスキルがあればいいのに。

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そんでもって、殺されたら復讐したい。中には暴言をはいてくる外国人もいるので、そんな奴らをハチの巣にしたいんです。だから、リスポーン後に殺人者を追跡できるようなシステムとかスキルがあればいいのになあ。そんな要素があれば、地獄の果てまで追いかけまわして心の底から後悔させてやるのに。

スキルで銃撃戦の戦略性は高まるのか

ディビジョンはハクスラ要素の強いレベル制マルチプレイがウリなので、レア武器を夢中になって集めている期間は大丈夫でしょうけど、レベルが最大になった時やコンテンツ(シーズンパスやDLC)を消費しきった時に限界がおとずれます。また、基本的な攻撃は「銃で撃つこと」なので急に飽きる可能性が高そうです。

銃撃戦の単調さをスキルやパーク(Perk)などのアビリティでどこまでカバーできるのか。そして、スキルを使った「戦略の幅」をどこまで広げられるのかが大きな課題です。

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ABOUTこの記事をかいた人

19歳の時から頭部が全体的にスカり始めた、毎日無職のような生活を送っている自宅警備員系PCゲーマー。ゲームの作品性よりも純粋なオモシロ度を重視。現時点で最高に面白いと感じたFPSは「レインボーシックス シージ」。「かまいたちの夜」の新作発売を誰よりも願っている。鍵屋推進派ではなく「とにかく安く買いたい派」です。