We Happy Few 評価/感想/レビュー NPCよ、もっといやらしくあれ【アーリーアクセス版】

早期アクセス版ではNPCの挙動がプレイに緊張感をほとんど与えていないが、クスリ漬けな住人達が住む町とその世界観、カットシーン演出の素晴らしさ、これらによって完成版のストーリーに少し期待を抱いた。公式に日本語化されることはまだ発表されていないが、英語でもディストピアな雰囲気を十分堪能できる。

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要するにサバイバル×脱出アドベンチャー

『We Happy Few』(ウィーハッピーフュー)は、薬漬けにされた住人ばかりが住む町「Wellington Wells」(ウェリントン・ウェルズ)を舞台とする、アクションサバイバルアドベンチャーゲームだ。年代は1960年代、場所はイギリス。この町はどこか異様で、主人公である「Arthur Hastings」(アーサー・ヘイスティングス)と、この町をボケーっと徘徊している住人とでは、世界の見え方がどうやら違うようだ。もしかしてこの「Joy」ってクスリのせいかな…?

何はともあれ、とあることをきっかけに主人公のクスリの効き目が切れ、彼は真の世界をその目に映すようになった。そこは廃墟だらけの町で、常識が全く通用しない…わけではないが、「中毒者」たちの意味不明な言動に同調していかないと生きていけないことだけは確かなようだ。このゲームの目的は狂った町からの脱出。生き残るためには自分が「ダウナー」(普通の人間)であることを隠し通す必要がある。

ダウナーであることがバレたら、ヤク中どもに追い掛け回されるぞ!

ダウナーであることがバレたら、ヤク中どもに追い掛け回されるぞ!

今回はアーリーアクセス版(バージョンはAlpha v27755)を4時間ほどプレイした。はっきり言ってまだ買わない方がいい。このゲームは「脱出ゲームのようなアドベンチャー」と「ストーリー」を、メインとなるサバイバル要素の上にどさっと載っけたようなゲームだ。しかし、コアとなるサバイバル要素は大方完成しているものの、NPCの挙動がまだまだヌルい。あと、どうせならゲームが完成してからストーリーを堪能した方がいいに決まってるしね。

緊張感の足りない世界とNPC

手ごわそうな警官もいるが…

手ごわそうな警官もいるが…

全体的な印象としては、グラフィックやサイコな世界観は「BioShock」(バイオショック)、サバイバル要素はDayZやH1Z1、UIはスカイリム、といった感じ。マップは区画が分けられたオープンワールド、あるいはサンドボックス風の形式。別の区画へ入る場合はロードが入る。

プレイヤーがやることと言えば、ニーズ(空腹・喉の渇き・睡眠)を満たしつつ、タンスやフィールドにあるアイテム・素材を入手し(あるいは住人に怪しまれないように盗み)、回復アイテム・武器・服などをクラフトして、脱出に繋がるメインクエストを進めたり、サブクエストをこなしたり、といった具合。自分だけの秘密基地がマップ上に数カ所あり、眠くなったらそこで寝たり、集めすぎたアイテムを基地にある金庫に保管して次の日に備える。そんな風に日々を過ごしながら脱出計画を進めていく。

ここまではよくある感じのサバイバルゲームなんだけど、アーリーアクセス版の時点ではNPCの行動がプレイに緊張を与えていない。別にNPCの前を素通りしてもこれといったデメリットはないし、彼らの家の中でアイテムを盗みまくってもNPCは素手で簡単に気絶させられるし、たくさんNPCがやってきてもダッシュで逃げれば問題ない。(あくまでゲーム序盤の話。後半になると一筋縄ではいかないかもしれない。実際、ゲーム中盤あたりで登場する「警官っぽいNPC」はけっこう手ごわい)

NPCの背後に静かに近寄って、相手を気絶させて運ぶことが可能だが、これを悪用すると余計に緊張感がなくなる。家の中ではNPCはある程度決まった道筋を移動するようで、ちょっと待っていれば簡単に全員始末できる。

気絶したNPCたち。彼らからアイテムを盗んで逃げろ

気絶したNPCたち。彼らからアイテムを盗んで逃げろ

町を歩くだけで狂ったNPCにヒヤヒヤさせられるようなゲームだと思っていたけど、記事執筆時点のバージョンではまだまだ調整不足といったところ。NPCの挙動がもっと「いやらしく」なればいいのに。

最後に:カットシーンの演出はかなりいい。ストーリーに期待

カットシーンの一部。かなりヒヤッた。

カットシーンの一部。かなりヒヤッた。

公式サイトではプロシージャル生成(自動生成)されたマップで何度もプレイして楽しめることを、つまりはリプレイ性の高さを『We Happy Few』の魅力の一つとして挙げている。しかし、記事執筆時点のバージョンでは決められたマップ(あるいはクエスト)でしか遊べず、NPCの甘っちょろさも相まってあまり面白いとは思えなかった。ただし公平を期すために、アルファ版を4時間程度しかプレイしていないことをここで再度強調しておく。

もしかするともっとプレイすれば面白くなってくるのかもしれないが、4時間プレイして面白さよりも退屈さの方が上回ってくるのであれば、やはりまだこのゲームはその程度のものだということだろう。

やはり大切なのはNPCの「いやらしさ」だ。NPCが作り出す「町の緊張感」が非常に足りてない。少なくとも今は。しかし、トレーラーを見て頂けると少し分かるかと思うが、カットシーンの演出は大作のそれと何ら遜色のない出来になっている。ストーリーには期待していいかもしれない。ただし完成版までプレイしないのが吉。

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ABOUTこの記事をかいた人

頭皮スカスカ系ゲーマー。ゲームの作品性よりも純粋なオモシロ度を重視しています。現時点で最高に面白いと感じたFPSは「レインボーシックス シージ」。「かまいたちの夜」の新作発売を願っています。流行にすぐ乗っかるタイプです。新作ソフトは速攻で売っちゃいます。よく誤解されますが鍵屋推進派ではなく「とにかく安く買いたい派」です。