最悪な中毒性。レインボーシックスシージ 評価/感想/レビュー

レインボーシックス シージ(Tom Clancy’s Rainbow Six Siege)の非対称マルチプレイが超面白い。銃撃戦・情報戦・心理戦が同時進行で行われるし、多彩で個性の強いオペレーター(クラス)の連携や立体的なマップ、壁と床を破壊して突破する仕様が奥深い。

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『レインボーシックス シージ』とは

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『トムクランシーズ レインボーシックス シージ』(Tom Clancy’s Rainbow Six Siege)とは、特別な装備が扱える特殊部隊員となって、人質をテロリストから解放したり爆弾を解除したりする一人称視点シューティングゲームだ。

オンライン対戦では5対5で戦える「マルチプレイ」(PvP、対人戦)と、最大5人で協力して大勢のAIと戦う「テロハント」(Coop、協力プレイ。ソロプレイ)の二つが遊べる。シングルプレイで遊べるキャンペーンはない。

豊富で個性的なクラス(オペレーター)と、ヘッドショット一発で死亡するというシビアさ、建物が一つだけある狭いマップ、壁や床を破壊できるのが特徴的だ。「地上を走るドローン」や防犯カメラを操作して情報収集したり、建物のどこから攻めるか考えたり、チームの連携が大事だったりと、かなり頭を使うチーム対戦型FPSとなっている。

今回はPC版(Steam版ではなくUplay版)を英語音声・日本語字幕でプレイした。

まとめ

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『レインボーシックス シージ』は銃撃戦・情報戦・心理戦が同時進行で行われるチーム対戦型クラス制FPS。立体的で狭いマップと特殊な装備が使えるオペレーター、ヘッドショットを決められるとすぐに死ぬハードコアさがあり、これらの「制限」と「連携プレイ」によって感動的な面白さが生まれる。

「どのオペレーターでどう攻めるか」や「どんな風に心理的に誘導させて、どこを重点的に守るか」など、戦術を考えるのが非常に楽しい。

マップやオペレーターの組み合わせによって、「オペレーター同士のコンボ」や戦略も変わってくる。仕様やマップ構造を知らないと勝つのは難しいし、耳で敵がどこにいるのか理解する能力も求められる。しかしだからこそ奥深いし、何度もプレイしたくなる。

つまり、中毒性がヤバイ。

銃撃戦x情報戦x心理戦+(クラス制+立体的マップ)=超面白い

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『レインボーシックス シージ』が面白すぎる。感動した。

このFPSの面白さを大人気漫画「ハンターハンター」で例えると「防御系念能力者5人と攻撃系念能力者5人が、地下から屋上まである豪邸で、念能力や現在地を互いに探りあいながら戦う」…といった感じだ。「これは脚力の戦いじゃねえ。心の削り合いだよ」とモラウがヂートゥに言っていたが、その感覚に近い。

面白さを数式で表すとこんな感じ↓

銃撃戦×情報戦×心理戦+(クラス制+立体的マップ)=爆発的面白さ

銃撃戦はいたって普通だ。アサルトライフルがあって、ショットガンがあって、スナイパーライフルがあって、それらは軽くカスタマイズできる。左右にリーン(上体を曲げること)が可能。

マルチプレイの流れはこんな感じ。最初に「準備フェーズ」が始まる。攻撃チームは「地面を走るタイプのドローン」を遠隔操作して、建物内のどこに目標があるのかどこにどんなオペレーターが居るのか情報収集し、得た情報を頭の中にあらかじめ叩き込んでおく。

その間に防衛チームは目標を守るために壁を強化したり、窓やドアを防弾機能のあるバリケードで補強したり、「ドローン等のデバイスを故障させるトラップ」や「赤いレーザーに触れたら起爆する爆弾」を仕掛けていく。

味方のみんなに補助アーマーを配れるオペレーター(ルーク)もいれば、強力な固定式ライトマシンガンをいやらしい位置に置いて待ち伏せできる奴(タチャンカ)もいる。

床と壁に設置できる「マグパイ」は、飛んでくるグレネードを一瞬で無効化するデバイス。そんなトラップを扱える奴(イェーガー)なんかもいるが、オペレーターの能力は意外と地味なのではと思ってしまうかもしれない。しかしオペレーターの能力(あるいは設置できるトラップ)は、ここぞという時に強烈に活躍する。

個性と個性が火花を散らす

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情報収集タイムが終わるとアクションフェーズに移行し、ここから攻撃チームと防衛チームのぶつかり合いが本格的に始まる。

防衛チームが必死になって作り上げた要塞化された部屋を、攻撃チームがデバイスを使いつつ突破していく。攻撃チームにはシールドを広げて全身を覆って突入できる「モンターニュ」がいるし、トラップを検知できる「IQ」がいれば、”爆発範囲内にあるトラップを無効化するEMPグレネード”が使える「サッチャー」とかいう奴もいる。

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スナイパーライフルを扱えるのは「グラズ」というオペレーターだけ。前面をシールドでがっちり防御できる「モンターニュ」は移動速度が他のオペレーターと比べて多少遅いため敵の爆発物にやられやすいだとか、各オペレーターは弱点を大抵もっている。

補強された壁をぶっ壊せるのはヒートチャージが使える「テルミット」だけだし、壁越しにグレネードを発射できるクラスターチャージで嫌がらせできるのは「フューズ」だけ。

そんな個性的なオペレーターが合計20人もいる。しかも今後はアップデートでさらに8人も増える予定。オペレーター同士に相性があったり、コンボを仕掛けたりもできる。戦術性・競技性が非常に高い。

音で焦らせろ

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アクションフェーズに移ってからは銃撃戦・情報収集戦・心理戦が交互に、そして複雑に絡みあう。攻撃チームはいつでもドローンを操作でき、ドローンで索敵してから前進していくのが一般的な戦法だ。防衛チームは防犯カメラで敵の位置を把握し、そこからどう動くか考える。

心理的な戦闘も同時進行で進んでいく。防衛チームは屋外にでると2秒後に現在地がバレる仕様になっているから、「ここぞ」という時以外に建物の外に出るのは自殺行為に近い。攻撃チームはそのルールを利用して、心理的に揺さぶりをかけることが出来る。

例えば建物の窓を銃で撃ちまくったり、遠隔操作で爆破できる「ブリーチングチャージ」で壁を壊して、様々な方向から音を発生させて動揺を誘うことができるのだ。焦った敵は破壊された壁の方向に無闇に撃ってきたりする。

音で揺さぶることで敵の位置が大体分かることがあったり、そういう心理戦が当たり前のように行われている。だから人間の定番的な反応を分かっていないとあっさり負けてしまう。

策士、策に溺れがち

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逆に「策士策におぼれる」みたいなことも普通に起こるし、それはそれで「次は堅実に攻めよう」だとか「一人ぐらい自由に行動する奴がいても良いのでは?」と考えるきっかけになる。あーだこーだ策を巡らすのが非常に楽しいので、トイレで気張ってる時も「どのオペレーター」で「どう攻めるか(守るか)」を考えてしまう。

建物内で決定的な戦闘が起きた時に機転を利かせることができるのか。屋内で小さな前線ができた時に、遠回りしてでも相手の背後に回れるか。頭の柔らかさが試される。臨機応変に戦法を変えていき、それがハマった時は最高に気持ちいい。勝利が決まった時に味方からボイスチャット(VC)で「フゥ〜〜!!!」と高いテンションで祝ってもらえた時は最高に嬉しかった。

感動的な面白さは「制限」と「組み合わせ」から生まれる

制限と、四方八方にある突入口

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『レインボーシックス シージ』がこれほどまでに面白いのは制限がしっかりしているからだ。体力は少なめだし、頭を撃たれたら即死。マップは広くない。画面上にはミニマップが表示されておらず、試合時間も4分程度と短い。「使える特殊武器はオペレーターごとに違う」という非対称性と、5対5(あるいは5対AI)という少人数制。これらが濃密な戦闘ができる要因になっている。

そして、制限がありつつも自由な突入ができるというのがこの上なく面白いのだ。マップが立体的な構造になっていて侵入できる場所が多い。攻撃チームは屋上から侵入したり窓から突入したりしてじわじわと目標物へと近づいていく、といった具合だ。

建物はほとんどの場合、地下・一階・二階・三階・屋上という構造になっている。例えば二階に目標物があるなら、三階の床を破壊してから二階へ突入したり、アッシュが使える「ブリーチング弾」で一階の天井を破壊したりと様々な作戦を実行できる。

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ラペリング(ロープを使って降下・上昇すること)で建物を登りつつ外窓の近くから撃つことも、状況によっては有利に働く。部屋の窓が全て開けられていたら、相手がどこから顔を出すか分からないからだ。

新しくないのに革新的

感動したのは、特に真新しいところがないのに休日をまるまる一日つぶしてしまうぐらい面白いということ。「新しい」と感じたのは、地上走行型ドローンと監視カメラを使った索敵と、ありそうでなかったオペレーターの特殊装備ぐらい。

死んだら復活できなかったり、目標を確保したら勝ちというルールは『CS:GO』(Counter-Strike: Global Offensive)などの競技性の高いFPSでよくみられるし、オブジェクトの破壊システムやクラス制は『バトルフィールド』シリーズではおなじみとなっている。

『レインボーシックス シージ』はそれらを都合よく吸いとってしまった。「壁や床を破壊できる」「クラス制」といったオモシロ要素と、「立体的で狭いマップ」「リスポーンできない」という制限が、奇跡的なぐらい見事に合わさってしまった。だから、多少とっつきにくくてもハマってしまうのだと思う。

敵を今にも撃ち殺そうと、うすい壁の裏でタチャンカがライトマシンガンをにぎりしめて待っている。あえてバリケードに穴を開けて、そこにブービートラップを仕掛けるカプカン。フューズの貫通グレネード(クラスターチャージ)の発動と同時に、テルミットはヒートチャージで補強された壁を破壊し、敵を混乱させる。

こういった「マップ構造と人間心理を利用した攻撃・守備」と「連携プレイ」ができるのは、要素と制限のマッチングが素晴らしいからだ。特にクラス制・破壊システム・狭く立体的なマップによって、他のゲームではみられない革新的な戦略性が生まれた。

エイムが下手でも心理・情報面で上回れば勝てる

「エイムが下手くそでも、心理戦・情報戦で勝てばいい」

これなんだよこれ! 『レインボーシックス シージ』にどっぷりハマってしまったのは、エイムが下手でも十分勝てるからなんだよ。確かに「エイムが上手な人」の方が勝てる。

でも、ドローンやカメラで情報をきっちり集めて、オペレーターの特殊ガジェットを使いつつ相手の裏をかくことができれば「エイムが超絶うまい人」にも勝てる。

なので「ウチ、FPS苦手やし…」なんて言ってるmisonoさんでも、本作でなら十分勝てる可能性があるわけだ。CoDやCS:GOとはわけが違う。

ボイスチャットはいらない

ボイスチャットは必要ない。ボイスチャットを使っている人の方が圧倒的に少ない印象。僕もボイスチャットは使っていない。『レインボーシックス シージ』はボイスチャットがなくても気軽に楽しめるゲームだ。

マルチプレイでは味方は全員赤の他人で構成されるため、野良チームでの連携は空気を読んで行われる。

実際のところ、皆それぞれ好き勝手に動いている。そんな状況下で、敵が来そうなところにマーカーを付けて味方に知らせたり、味方のトラップに自分のトラップを付けて強化したりして、なんとなく連携していく感じだ。

一度プレイすれば連携の大切さを理解できるので、すぐにでも連帯感を感じることができるはず。「仲間に前線を任せて、敵の背後を取りに行くのも連携の一つ」ということが分かるまで、そうそう時間はかからない。ボイスチャットがなくても「おのずと連携してしまう作り」は見事だと思う。

ただ、チャットと黄色マーカー設置でしか意思表示ができないのがちょっと残念。ショートカットキーみたいなものでチーム全体に指示をだせればなお良かった。

ハードコアゆえのデメリット

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『レインボーシックス シージ』はかなりハードコアなゲームだ。左右の覗き込み(リーン)を使って部屋をクリアリングしないと普通に負けるし、一度死んだらその試合では復活できない。しかし操作は分かりやすくて簡単。クラス制も複雑過ぎるということはない。

ただ、敷居はかなり高い。全体像を把握できるまで時間がかかる。勝つ可能性を上げるためには、全オペレーターの特性・ゲームの仕様・マップ構造を知る必要がある。また、音を聞き分ける能力もなるべくあった方がいい。

wikiや「ゲーム内にあるチュートリアル動画」は見ておくべきだし、一人でトレーニングできる「シチュエーションモード」を最低でも一通りプレイしておかないと足手まといになる。

フレンドリーファイア(FF。味方にダメージを与えられる仕様)があるし、味方と連携する状況が自然と出来上がるので、何かミスがあった時はチーム内でギスギスしやすい。お子ちゃま向けのゲームでは決してない。昔ながらのFPSを彷彿とさせるような仕上がりになっている。

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マルチプレイでは「既に出来上がっているチーム」がやっぱり強い。ボイスチャットでコミュニケーションをこまめに取れているチームは強くて当たり前だ。

赤の他人で構成された野良チームだと「失敗をいちいち指摘する人」や「嫌味を言う人」も極稀にいるから、精神的にキツいこともある。一人一人が重要な戦力なので、責任が重くのしかかる。しかしその分、敵一人を倒した時の快感・安心感は他のFPSと比べて非常に大きい。

気軽にマルチプレイに参加することはできるが「失敗を絶対に気にしない広い心」や「プレッシャーをはねのける図々しさ」が必要不可欠となっているため、精神的ハードルが高いゲームと言える。しかしそのハードルの先には一度ハマったら抜け出せなくなる沼が待ち受けているわけで…。

コミュニケーション関係は多少めんどうだが、適当に「good」とか「nice」とか言っておけばチーム内の雰囲気は良くなるし、イヤな人と遭遇するのは本当に珍しい。ぼっちでプレイしていてもそれほど心配する必要はない。

ちなみにプレイヤーのランクを決める「ランクマッチ」では、マッチングされづらくてかなり待たされることがある。カジュアルマッチの方がマッチングされやすい。しかしなかなか試合が始まらないといった不具合に遭遇することが多々あったりするのも残念だ。こればかりはUbisoftからのアップデートを待つしかない。

リリース後も無料サポートが続く

『レインボーシックス シージ』では発売後も長期的に無料でアップデートしてくれる。課金は武器のスキンを変えられる「見た目課金」と、試合終了後に得られる名声ポイントの獲得率を上昇させる「名声ブースト」、シーズンパスだけ。

シーズンパスを買えば、新しいオペレーターを先行的に入手できるようになる。名声ポイントが貯まるまで時間は掛かるものの、シーズンパスを買わなくても新オペレーターを無料でアンロック可能だ。

公式サイトによると最終的には「8人の新オペレーター」「4つの対戦用マップ」、その他新モードやゲームツール、武器などが順次追加されるとのこと。遅かれ早かれプレイ人口は減っていくだろうけど、長く遊べるように配慮してくれるのは本当に嬉しい。

追記
大型アップデートごとにプレイヤーが戻ってきたり、新規プレイヤーが増えてきたりしている様子。アップデート以降も一定のプレイヤー数を保っていて安心した。

『レインボーシックス シージ』のアクティブユーザー数の推移を表したグラフ(UbisoftがIGNに報告したもの)。 引用:More People Are Playing Rainbow Six Siege Now Than At Launch - IGN

『レインボーシックス シージ』のアクティブユーザー数の推移を表したグラフ(UbisoftがIGNに報告したもの)。
引用:More People Are Playing Rainbow Six Siege Now Than At Launch – IGN

最後に:中毒性が高い

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テロハントは大勢のNPCと戦うゲームモードで、これはこれで協力プレイを楽しめる。でも僕はずっとマルチプレイ(5vs5)で遊び続け、そして負け続けていた。それでも死んだ後は防犯カメラやドローンを使って敵を見つけることでチームに貢献できるからいい。コツをつかめたら急に勝てるようになる。負けっぱなしでも5戦に1回ぐらいは大活躍できることもある。

なにより『レインボーシックス シージ』では、他人のプレイを観戦するのも楽しい。見てるだけでも緊張感が伝わってくるし、攻め方・守り方の勉強になる。稀に神プレイをおがめることもあってやみつきになってしまった。シヴィライゼーション5みたいに「あと一戦…あと一戦だけプレイさせてくれ…」という中毒性があるから厄介だ。

敵にトラップの位置がバレてもトラップを回収して別の場所に設置できる…等といった心理的要素も濃い。相手の心を揺さぶって戦えるところにグッと来た。

スプラトゥーンは「軽くてあっさりした熱中度」で楽しめるが、『レインボーシックス シージ』では「濃密で凝縮された時間」を堪能できる。

かなりハードコアで人を選ぶゲームではあるが、最近発売されたゲームの中で一番面白いんじゃないかと僕は思っている。なぜならオーバーウォッチとか新作のFPSをプレイしても、結局は『レインボーシックス シージ』に帰ってくるからだ。

このゲームは、いつまでも僕の心をつかんで離さない。

(以下、アフィリエイト等)

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ABOUTこの記事をかいた人

19歳の時から頭部が全体的にスカり始めた、毎日無職のような生活を送っている自宅警備員系PCゲーマー。現在の年齢は若者とオッサンの間ぐらい。ゲームの作品性よりも純粋なオモシロ度を重視。現時点で最高に面白いと感じたFPSは「レインボーシックス シージ」。「かまいたちの夜」の新作発売を誰よりも願っている。