バトルボーン感想/評価/レビュー 面白さに気づくまで少し時間の掛かるMOBA的FPS

ヒーローが盛り沢山のBattlebornはオーバーウォッチ(Overwatch)と同じぐらい面白い。占領モードやストーリーはつまらないが、一進一退の攻防で熱くなれる侵入モードこそが楽しい。FPSにMOBA要素が取り込まれているせいか、侵入モードの良さを理解できるまでは慣れが必要。

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方向性を掴めれば良作となりうる

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『Battleborn』(以下、バトルボーン)は25人のヒーローが用意されているクラス制FPSです。ソロやCoopで遊べるストーリーモード、5対5のオンラインマルチプレイではMOBAとFPSが融合した「侵入モード」、目標を占拠・維持しつつ戦う「占領モード」、ミニオンを目標地点まで誘導する「溶解モード」が用意されています。

上記に挙げたゲームモードの中で「侵入モード」だけがメインディッシュであると言えます。なぜなら、バトルボーンは「ヘッドショットを決めて爽快な気分になれる普通のFPS」とは違い、ソフトボールにゴルフボールを3個入れるのと同程度にMOBA要素が取り込まれているからです。「全体の3~4割がMOBA」といったところでしょうか。

バトルボーンの「MOBAとFPSの比率」が中途半端であるため、序盤はゲームの方向性が掴みにくいのです。ストーリーモードの後に占領モードをある程度プレイしてもこの作品の良さには気付けません。侵入モードの慌ただしさが楽しいのですが、その境地に至るまでに少し時間が掛かってしまいます。MOBA要素をFPSに取り入れた結果、従来の対戦型FPSにあった「プレイヤーキルの快感」が薄まっていると感じました。

侵入モードこそが本当のバトルボーン

侵入モードの勝利条件は、敵側のスーパーセントリーを2体破壊すること

侵入モードの勝利条件は、敵側のスーパーセントリーを2体破壊すること

バトルボーンには対戦型FPSではお馴染みの「目標エリアを確保するゲームモード」、つまりは占領モードが用意されています。しかし、占領モードではなく侵入モードを積極的にプレイした方が幸せになれるでしょう。なぜなら、バトルボーンは侵入モードにだけ最適化されているからです。

マップ中央でアビリティをせわしなく使って防衛・攻撃したり、マップ中にあるシャード(お金みたいなもの)を集めてタレット・回復構造物・ミニオン等を製造してじわじわと拠点を固めたり、ボスミニオン的な傭兵部隊を召喚したりするのが、映画やドラマでよく見る「忙しいサラリーマン」を演じているようで楽しいのです。濃くもなく薄くもない程度にMOBA要素が混じっているのですが、このサラリーマン的な戦争を堪能できるのは侵入モードだけです。

HPを回復できる回復構造物(サプライステーション)

HPを回復できる回復構造物(サプライステーション)

侵入モードの楽しさに気付けるまでちょっと時間が掛かる

バトルボーンは侵入モードこそが面白いのです。しかし侵入モードの良さを理解するまで、人によっては遠回りすることになるかもしれません。好みのヒーローが見つかるまでは忍耐が必要ですし、「HPを削る感覚」に慣れたり占領モードやストーリーがそれほど面白くないと悟ったりするまで少々時間を要します。

好きなヒーローが見つかるまでは我慢する必要がある

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バトルボーンにはヒーローが25人もいて、今後はさらに5人追加される予定です。しかし、ヒーローごとに使えるアビリティが大きく違い、選ぶヒーローによってはゲームがめちゃくちゃつまらないものになる可能性があります。

例えば刀を使った近接攻撃がメインの「ラース」は、ストーリーモード以外だと敵との距離感を掴むのが非常に難しいので慣れるまでは何度も死ぬことになります。しかし、グレネードやアサルトライフルが扱える「オスカー」や、スナイパーである「マルキ」なら誰もが即座に使いこなせることでしょう。

要するに、自分に合うヒーローが見つかるまでは様々なヒーローを一度使ってみる必要があるということです。また、全ヒーローをアンロックするまでは各ヒーローのアンロック条件を一つずつクリアしていく必要もあるので、その点に関しても時間が掛かります。

近接攻撃がメインのプロレス野郎「エルドラゴン」は扱いにくいヒーローの一人だが、彼の挑発やアビリティにはクセと魅力で詰まっている

近接攻撃がメインのプロレス野郎「エルドラゴン」は扱いにくいヒーローの一人だが、彼の挑発やアビリティにはクセと魅力で詰まっている

最初は「HPを削る感覚」を許容できないかもしれない

対戦型FPSには「ヘッドショット」で敵を一撃死、あるいは致命傷を与えることが可能です。しかし、バトルボーンはMOBA的FPSであるため、ヘッドショットを決めてもプレイヤーやミニオンは一撃で倒せるというわけではありません。あくまでも頭を撃ち抜けばクリティカルダメージが与えられる、といった程度に収まっています。

問題なのが「HPを削る感覚」を受け入れられるかどうかです。これは人によって大きく違うかと思いますが、私は許容できませんでした。少なくとも最初は。

しかし、侵入モードを繰り返しプレイすることで「バトルボーンはHPを削っていくFPSなんだ」と、頭と体で理解できるようになっていき、許容できるようにはなっていきました。つまり、慣れたということです。

ただ、「ヘッドショットでガンガン殺していくぜ!」という人には全く向いていないゲームです。バトルボーンが他のFPSと何か違うと感じるのは、やはりヘッドショットの快感が薄いからでしょう。時間が経てばヘッドショットでクリティカルダメージを与え続ける快感に目覚めるんですけどね。

侵入モード以外は無理矢理感がある

侵入モードが無ければバトルボーンは駄作。侵入モード以外のゲームモードは「おまけ」と言ってもいいでしょう。特に占領モードとストーリーは味気のないものになっているのです。

占領モードだとヒーローの個性が活かされない

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バトルボーンの占領モードはあまり面白くありません。なぜなら、バトルボーンはMOBA寄りのFPSだからです。侵入モードだからこそ光り輝くヒーローが、占領モードだと微妙な存在となる場合があり、バトルボーンのMOBA要素が占領モードと合っていないのです。

ストーリーが頭に入ってこない

きびきびとした動きのアニメーションが用意されていて、かなりワクワクさせてくれるのだが…

きびきびとした動きのアニメーションが用意されていて、かなりワクワクさせてくれるのだが…

ストーリーモードを英語音声/日本語字幕でプレイしたのですが、一度読んだだけでは内容が掴めない独特な固有名詞がやけに多く、なおかつ戦闘中に字幕が流れるのでストーリーが掴みづらいです。プレイして分かったのは主人公が帝国軍らしき敵と戦っているということ。

ストーリーには一切期待しない方がいいです。ただし、ストーリーモードのCoopは私の嫌いなラースでも活躍できましたし、ミニオンの大軍を味方プレイヤーと共に蹴散らしていくのは大量の紙コップを潰していくような爽快さがあって楽しいです。もちろん、侵入モードが一番面白いです。

刀を扱うラースは、ストーリーモードのCoopでならミニオン破滅係として簡単に活躍できる

刀を扱うラースは、ストーリーモードのCoopでならミニオン破滅係として簡単に活躍できる

最後に:オーバーウォッチとバトルボーン、どちらも同じぐらい面白い

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バトルボーンとオーバーウォッチの間には大きな壁があると思っていました。しかし、プレイし続けるとバトルボーンにはバトルボーンの味があり、オーバーウォッチにはない独特な旨味があることに気付きます。

侵入モードでは最大30分も激しい戦闘をし続ける必要がありますが、タレットや回復構造物を設置してスーパーセントリーを防衛しつつミニオンと共にじりじりと前線を上げていく一進一退の攻防には、まるで「にらめっこ」のような趣があります。このような面白さはオーバーウォッチにはないものです。オーバーウォッチとバトルボーン。これらは姿形がなんとなく似ているような気はしますが、中身は全くの別物とは言い切れないにしても、使われているソースが違うハンバーガーのようなものです。

最初は「オーバーウォッチ >> 超えられない壁 >> バトルボーン」だったのが、最終的には「オーバーウォッチ=バトルボーン」ぐらいにまで評価が落ち着きました。ただ、やはりオーバーウォッチの方が素直に”FPS”を楽しめるのも確かですし、個人的にはオーバーウォッチの方が圧倒的に好きです。生粋のFPSゲーマーじゃない場合でも、どちらを買うか迷っているなら普通にオーバーウォッチを買った方がハッピーになれるはずです。

Steam:Battleborn
日本公式サイト:バトルボーン

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ABOUTこの記事をかいた人

頭皮スカスカ系ゲーマー。ゲームの作品性よりも純粋なオモシロ度を重視しています。現時点で最高に面白いと感じたFPSは「レインボーシックス シージ」。「かまいたちの夜」の新作発売を願っています。流行にすぐ乗っかるタイプです。新作ソフトは速攻で売っちゃいます。よく誤解されますが鍵屋推進派ではなく「とにかく安く買いたい派」です。