ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルドを評価/レビュー。切り開け俺

『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』のイメージ

ネタバレ注意。任天堂から発売されたニンテンドースイッチ版『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド(BotW/BoW/ブレワイ)』のメインチャレンジ(ストーリー)だけを全クリした感想(100%クリアではない)。4体の神獣の謎解きを解いてからラスボスのガノンを撃破した。

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(このページでは、任天堂株式会社を代表とする共同著作者が権利を所有する画像を引用しております。© 2017 Nintendo)

評価の概要

すっごく面白かった。途中から「試練の祠(ほこら)」に寄るのが面倒になったり、最後のボスである厄災ガノンと魔獣ガノンを倒してからはプレイするモチベーションが探検しかなくなってゲームの魅力が著しく落ちたけど、面白さがラスボスまでほとんど一定しているのは凄い。

ほぼ何でも登れるシステムのおかげで、山や岩壁が存在しているだけで意味のある物になっている。オープンワールドと言えばマップの広さがそのゲームの売りになっていることが多いけど、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』ではほぼ何でも登れるから従来のオープンワールドとは景色の見え方が全く違う。

パラセール(グライダー)を使って滑空するリンク。マップは広いだけではないのだ。

パラセール(グライダー)を使って滑空するリンク。マップは広いだけではないのだ。

手抜きをしている箇所がまず見られなかったし、随所に遊びがあって飽きさせない。『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』のおかげで「オープンワールド型ゲームの在り方がこれから変わってくるのかもしれないなぁ」と思った。

以下より『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』に関するネタバレを含みます。ストーリーの核心的ネタバレはありませんが、ボス戦について語っているので未プレイの人は覚悟して読んで下さい。メインチャレンジを全てクリアしてから読むことをおすすめします。

(以下、アフィリエイト有り)

意味のあるオープンワールド

『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』のオープンワールドなマップには探検する価値がある。フィールドはただ広いだけではなく、いたるところにコログの実を獲得するための小さな謎解きがあったり、毎回違った趣の謎解きが用意されている試練の祠があったりして探検すれば常に何らかの発見があって楽しい。

雪山を登山していたら中ボスっぽい「カルーガ峠西のガチロック」と遭遇。けっこう苦戦した。

雪山を登山していたら中ボスっぽい「カルーガ峠西のガチロック」と遭遇。けっこう苦戦した。

祠に到着すればその祠にいつでもワープできるようになるので、祠に寄ることにメリットがあるし、祠をクリアすれば克服の証がもらえるし、克服の証を4つ集めればハートの器と交換可能でリンクを強化できる。深く探検すればするほどリンクは強くなっていくのだ。

リンクは標準で壁や崖といった地形を登ることが可能。走ることが困難な傾斜にさしかかると自動的に地形を掴み、がんばりゲージという体力(HP)とは別のスタミナを消費しながら地形を登っていくことができる。

例外を除き、ほぼどんな地形でも登ることが出来る。

例外を除き、ほぼどんな地形でも登ることが出来る。

この「ほぼ何でも登れるシステム」のおかげで冒険感が従来のオープンワールド型ゲームよりも遥かに増大しているのだ。例えばとてつもなく高い絶壁に差し掛かったとしても、「少し遠回りしてがんばりゲージを回復できるくらいの傾斜をいくつか見つけられれば、この絶壁を越えられるかも。これを越えられたらめっちゃショートカットできるぞ…!」という風に思考するようになる。

従来のオープンワールド型ゲームなら「あ、ここは無理だ。引き返そう」となっていたのが、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』ではその「無理」が「可能」になり、そして手抜きの無い小さな遊び心がフィールド上に随所に散りばめられたことによって、今までにない「自由な冒険感」を演出できている。この点はいくら褒めても褒めたりないくらい素晴らしい。

要するに『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は、自らの手によって道を切り開くことを重点においたゲームなのだ。オープンワールド形式のゲームがこのレベルにまで到達するとは、正直思ってもいなかった。

序盤は最強に思えたガーディアンも、装備が整えば、あるいは頭を使えば倒せるようになる。自分で道を切り開いている実感を持てるところが良い。

序盤は最強に思えたガーディアンも、装備が整えば、あるいは頭を使えば倒せるようになる。自分で道を切り開いている実感を持てるところが良い。

しょうもない謎を解けない人間ほどしょうもない人間はいない

『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』で登場する謎解き部分はぶっちゃけしょうもない。そう言うと「ゼルダの伝説ファン」からお叱りを受けるかもしれないが、「なんだよこの謎解き!くそしょうもないな!」と言っておかないと自分の精神を保てない。あんなにも簡単な謎解きを速攻で解けなかった自分が恥ずかしいのだ。

『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』のオープンワールド型のマップには至る所に試練の祠があり、その祠のほとんどにはパズルのような謎解きが用意されている。また祠にたどり着くまでが謎解きになっていることもある。

試練の祠ではリモコンバクダン・マグネキャッチ・ビタロック・アイスメーカーなどの道具を駆使してクリアしていく。中盤以降からは謎解きのコツが分かるようになるが、それでもすぐに解ける謎とそうでない謎があり、なんというか悔しい。

試練の祠ではリモコンバクダン・マグネキャッチ・ビタロック・アイスメーカーなどの道具を駆使してクリアしていく。中盤以降からは謎解きのコツが分かるようになるが、それでもすぐに解ける謎とそうでない謎があり、なんというか悔しい。

それぞれの謎解きがほとんど被っていないのは賞賛に値する。被りのない手の込んだ謎解きが多く用意されているから、Ubisoftから発売されているファークライシリーズや2K GamesのMafia III(マフィア3)といったオープンワールド型ゲームでありがちな「また同じことの繰り返しか…」という感覚に陥ることがない。このこともフィールドを探検する価値のあるものにしている要素の一つだ。

謎解きはタイミングを要するもの、算数的なもの、能力を駆使してクリアするもの等があり、最も素晴らしいのは物理エンジンを利用したものだ。炎や氷、そして風を利用しないとクリアできない謎解きは、観察力がないと解けない。というより謎解きは全般的にプレイヤーの観察力が試されているものが多く、いじわるに感じることも多い。

謎を解くには観察力が必須。

謎を解くには観察力が必須。

なので何十分も掛けて謎を解けた時には「こんなクソしょうもないことに時間をかけてしまったのか…」と落胆してしまう。しかしこの落胆こそが次の試練へステップアップしていくために必要なことだと思う。このようにしてプレイヤーの自尊心をぶち壊すことで、ゲームの中でプレイヤーが成長していくことを促しているのだろう。謎がしょうもないのではなく、しょうもない謎を解けない人間がしょうもないのだ。

どんなやり方でもいい

『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は自由だ。可能ならばどんな方法でボスを倒してもいい。謎解きは卑怯なやり方でクリアしてもいい。解決方法は一つだけじゃない。ボスが倒せないなら深く探索して素材集めに没頭すればいいし、そもそものやり方を疑って新しい方法を考えるのもアリだ。

ミャマ・ガナの祠では、コントローラーをいろんな方向に傾けて玉を飛ばせるか試された。しかしこの試練もクリアする方法は一つだけではない。

ミャマ・ガナの祠では、コントローラーをいろんな方向に傾けて玉を飛ばせるか試された。しかしこの試練もクリアする方法は一つだけではない。

迷いの森は非常に良かった。勘がいい人は白い霧の小さな動きを読んで突破したのでは。

迷いの森は非常に良かった。勘がいい人は白い霧の小さな動きを読んで突破したのでは。

『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は広すぎる。マップが純粋に広いかどうかは問題ではない。砂漠・雪山・豪雨地帯といった特殊な環境や謎の遺跡などがあり、広さの中にもしっかりとした密度があって、フィールドが余計に広大に思えてくるのだ。

防寒具を持たないまま雪山に突入。マジで死にそうだった。

防寒具を持たないまま雪山に突入。マジで死にそうだった。

なので僕は探検するのが面倒になった。『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』が持つ世界観に僕は負けたのだ。ゲーム後半は序盤ではあれほど楽しめた試練の祠をスルーし、ラスボスのガノンが待つハイラル城へ直行した。もちろんハイラル城は得意のクライミングテクニックをフル活用して、出来る限りショートカットした。

ラスボスが鎮座するハイラル城もショートカットが可能。気持ちがいい。

ラスボスが鎮座するハイラル城もショートカットが可能。気持ちがいい。

こんなやり方があってもいいと思う。そしてこんなやり方を許容している『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』も最高だ。途中で気付いたのだが、もしかして4体の神獣をクリアしなくてもラスボスに挑めるのでは…?

ミニチャレンジも含め、愚直に隈なくフィールドを巡るとどれくらい時間がかかるのだろう。週に2日の休みを全て『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』に費やすとするなら、2~3ヶ月はかかるのではないか。

裏目に出たやさしさ

残念だったのはボス戦だ。『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』ではメインチャレンジを進める限りでは純粋なアクションシステムで戦う「大ボス戦」が少ない。料理を使えば楽に倒せるので、ハードなボス戦があまり楽しめない。

水の神獣ヴァ・ルッタ、炎の神獣ヴァ・ルーダニア、風の神獣ヴァ・メドー、雷の神獣ヴァ・ナボリスもボス戦に含めるかどうかは微妙なラインだと思う。あれがボス戦なら満足いかないし、神獣の内部にある謎解きをクリアすると登場するカースガノン達は「雷のカースガノン」以外はボス戦の中にちょっとした謎解きがあるだけで、すごく楽しいレベルにまでは達していない(もちろんつまらないわけではないけど)。

雷のガースガノンに手こずった人は僕だけではないはず。

雷のガースガノンに手こずった人は僕だけではないはず。

マックスドリアンを調理した料理をたくさん用意して順当に防具をアップグレードしていれば、勝てないボスはまずいない。雷のカースガノンはかなり強かったが、ラスボスの厄災ガノンが全然強くなかったのが心残りだった。ただ厄災ガノンの倒し方は全然分からなくて、謎解き部分は苦しみつつ楽しめた。

マックスドリアンを5個消費すると作れる「マックス煮込み果実」があればハートが余分に20個も追加される。ちょっと強すぎないっすか。

マックスドリアンを5個消費すると作れる「マックス煮込み果実」があればハートが余分に20個も追加される。ちょっと強すぎないっすか。

ボス戦は「どうやってボスを倒すか」を考えるのも楽しみの一つだが、簡単に解けるものが多く拍子抜けしたのが本音だ。ボス戦に限っては小中学生向けで、ダークソウルシリーズをたしなむ人には物足りないと感じることだろう。

…と言いつつも実は中ボスっぽい存在のライネルとかには最初は苦戦したし、どうすれば勝てるのか悩んだことも事実だ。敵の攻撃をタイミングよく避けるとラッシュ攻撃が可能になる。それを多用すればライネルでも二度目以降は簡単に勝てるようになるから、僕がボス戦に拍子抜けしたのは「ラッシュ攻撃を使えば簡単」と分かったことが一番大きな原因だと思っている。

しかしエキスパンション・パスを購入すると2017年夏以降にDLC第1弾が配信され、ハードモードが実装される。このゲームは最初からハードモードでプレイした方が良かったのかもしれない。

最後に:オープンワールドの在り方を変える傑作

グラフィックをカートゥーン調に近いものにしたのは正解だったと思う。ニンテンドースイッチ版でも光の加減とか空気感が綺麗に描写されているし、グラフィックの汚さが丁寧に誤魔化せているからだ。fps(フレームレート)が下がってしまう場面が少々あったが、それほど気にするほどでもなかった。低フレームレート問題があまり気にならなかったのはゲームに夢中になっていたからかもしれないが。

コログの森に入れば確実にfpsが下がっていることを感じられる。

コログの森に入れば確実にfpsが下がっていることを感じられる。

ちなみに「ドラゴンクエストヒーローズI・II for Nintendo Switch」では頻繁にカクつきが発生し、グラフィックはしょぼかった。低フレームレート問題とグラフィックに関しては恐らく今後発売するであろう新型の「ニンテンドースイッチ2」に期待するしかないだろう。

ボスの弱さ(あるいはラッシュ攻撃のお手軽さ)や「カースガノン級の本格的な大ボス戦」の少なさは悪い点ではないにしろ微妙な要素として挙げられる。しかしゲーム全体としては十分すぎるほど面白いし、オープンワールドに一石を投じたゲームとして語り継がれることは間違いない。

恐らく他にも「登れるシステム」を採用しているゲームはあるかと思うが、僕は『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』以上に自由で冒険感のあるオープンワールド型ゲームで遊んだことがない。忘れてるだけかな…。

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2017.01.14
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『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』のイメージ

ABOUTこの記事をかいた人

頭皮スカスカ系ゲーマー。ゲームの作品性よりも純粋なオモシロ度を重視しています。現時点で最高に面白いと感じたFPSは「レインボーシックス シージ」。「かまいたちの夜」の新作発売を願っています。流行にすぐ乗っかるタイプです。新作ソフトは速攻で売っちゃいます。よく誤解されますが鍵屋推進派ではなく「とにかく安く買いたい派」です。