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プレイヤーが2億1535万8979人死ぬと完全終了する非対称マルチプレイ対戦PCゲーム「The Flock」をレビュー。軽く感想を言うと、だるまさんがころんだと鬼ごっこを同時に遊んでいる感覚。日本語字幕に変更できるから日本語化の必要なし。Steam上の評価・評判などについても。
目次
約2億人死亡で販売停止になるゲームを買いました
ちょっと前から話題になってたホラーゲーム「The Flock」(ザ・フロック)を買いました。
このゲームは2億1535万8979人死ぬと販売停止になるという斬新なPCゲームで、SteamやHumble Bundleストアで買えます。開発元はオランダのゲーム開発会社であるVogelsap。たぶんインディーズゲームを開発してる独立系開発会社。
ゲーム内容としてはエボルブのような非対称なマルチプレイ専用の対戦FPSとなってます。
全プレイヤーの死亡回数が2億を超えると販売停止になってオンラインプレイができなくなる、というのが今までのゲームにない斬新な点です。
マルチプレイ対戦をウリにしたゲームって、何ヶ月かするとプレイヤー人口が激減してマッチングしなくなるんですよね。The Flockはその点を突いたわけです。
「2億人死亡で販売停止します」と煽ることでゲームに興味を持ってもらい、プレイヤー人口を増やそうとしているんだと思います。
The Flockにはフロック(Flock)とキャリアー(Carrier)と呼ばれるモンスターが居て、プレイヤーはそのモンスターを操作することになります。
フロックはキャリアーを狙い、キャリアーは死んだらフロックに戻る。ハントする側のフロックとハントされる側のキャリアーが殺しを通じて交互に入れ替わります。
このように互いに殺し合って、死ねば死ぬほどモンスターの数が減っていくわけです。
モンスターの数が約2億からゼロに達した時点でゲームは販売停止になり、参加しているプレイヤーは忘れがたいエンディングが観られる……そんなゲームでございます。
モンスターの数は記事執筆時点でも刻々と減っていっており、The Flockを持っていない人でも公式サイトを覗けばカウントダウンが進んでいるのを確認できます。
The Flockはこんなゲーム
ルール
前述した通り、The Flockはマルチプレイ専用FPSです。最大プレイ人数は5人。
ゲーム開始時、プレイヤーは「フロック」という怪物になって、ポイントを稼ぐためにライトアーティファクト(Light Artifact)をゲットしに行きます。
ライトアーティファクトを入手すると、「キャリアー」と呼ばれる見た目がちっさいオッサンみたいな人型モンスターに変わります。
キャリアーは懐中電灯みたいに光が出ているライトアーティファクトを持ちながら移動することになる。
で、キャリアーはフロックからひたすら逃げることでポイントを稼げたり、マップ上にある「青い光を放つ物体」に光を当て続けたりすることでポイントを稼げる、というわけです。
最終的にポイントを多く持っているキャリアーが勝ち。そんなルールとなっています。
フロックの特徴
フロックの見た目の雰囲気はデスノートの死神リュークになんとなく似てます。
フロックは素早く移動でき、高くジャンプすることも可能。止まっている時は石化し、石化している間は光を当てられても焼死しない。
ただし、移動中にキャリアーに光を当てられると死にます。
また、自分の分身を作り出す「デコイ」や、速く強くなれる「フロックコール」なんかが使えます。
キャリアーの特徴
キャリアーの見た目は小さい人間。常にライトを持ち歩いている人。そんな感じ。
フロックと違ってジャンプや攻撃ができない。そのかわり、フロックに対して光を当てるとフロックを殺害することができます。
立ち止まっているとライトが切れて無防備な状態になります。どこかに隠れてやり過ごす、なんてことをするのは難しい。
一通りプレイした感想
日本では超絶過疎ってた
いやー最悪でしたよ。実はですね。ワタクシ、すごくワクワクしてたんです。
だってこんなゲーム初めてだったんですよ。モンスターの人口がゼロになったら販売停止になるゲームなんて聞いたことなかったし。
「モンスターの人口」っていう表現は日本語的に間違ってると思うけど、公式サイトを見るとPopulationという表現が使われています。
Populationという英単語は「人口」という意味だけではなく、「生物の個体数」という意味もあります。
Populationっていう英単語を見ると瞬間的に「人口」という日本語が頭からプッと湧き出てしまう。だから、ついつい「モンスターの人口」なんて日本語を使ってしまいました。
いやそんなことはどうでもよくて、とにかく発売前から「まだかな…まだかな…」とソワソワしながら実家で引きこもっていたわけです。
で、ついに来た! The Flockがやってきた!
Humble BundleストアからThe Flockのキーを買って、Steamで有効化して、ダウンロードしてインストールして。
起動! なんかフルスクリーンにできないけどまあいいやと思いつつ、設定を覗いてみる。なんと日本語に切り替えられた。The Flockは日本語化の必要なし!
とりあえずチュートリアルをやってみる。ふむふむなるほどね。あーこれは確かにホラーな感じがする。
よし。マルチに参戦だ。クイックマッチをポチッとな!
30分経過。
全然人が集まらない!!!!!
ダウンロード地域を変えたらオンラインで遊べた
とまぁ、いくら待っても全然マッチングしなかったわけですが、Steamのダウンロード地域を「US – New York」に変えたら速攻でマッチングするようになりました。
「なんでダウンロード地域が日本だとマッチングしないんだろう?」と疑問に思い、プレイ人口がどれぐらいいるか調べてみました。
ピ、ピーク時でも150人ぐらいしか遊んでいない……! おいおい発売日初日だぞ。
そりゃ日本じゃマッチングするわけないわ。
だ〜〜るまさんがころんだ!
いやいや、発売日初日なのにプレイ人口が少ないからってクソゲーと認定するのはいくらなんでも早すぎますよね。
というわけで、マルチプレイで遊んでみました。
思いのほか楽しい。「だるまさんがころんだ」と「鬼ごっこ」が合わさったゲームだなぁと感じました。
フロックの攻撃がすごい。ピャーっと前方に飛んで行く攻撃が爽快です。
他のプレイヤーにアーティファクトを奪われても、フロックなら建物の上から海鳥が魚を捕獲するように攻撃できる。
アーティファクトを盗られてもすぐに回収できるし、他のプレイヤーにキャリアーになられても余裕余裕。
しかし、余裕だったのはフロックとしてプレイしていた時だけ。
キャリアーになった途端、とんでもない緊張感で脳みそが揺れる感覚を味わうことになる。
フロックの分身に騙されるな
こわい。フロックが怖い。いつ襲われるか分からない恐怖。
後ろを振り返れば石化したフロックがいる。フロックはいつ動きだすか分からないし、もしかすると目の前にいるフロックはただの分身で、建物の上かなんかにフロックが隠れているのかもしれない。
しかし目の前にいるフロックが分身だったとして、後ろを振り返って前進するのはそれはそれで問題がある。
なぜなら、フロックは今いる位置と分身の位置を瞬時に入れ替えられるのです。つまり、瞬間移動ができる。
後ろを振り返った瞬間、フロックは自分の背後に瞬間移動し、襲い掛かってくるかもしれない。
キャリアーはフロックに隙を見せたら終わりです。キャリアーはたった一度の攻撃で死にます。虫のように弱いです。
だから、キャリアーになったらひたすら走って逃げるしかない。走って逃げて、そこの角を曲がって。
むしろ騙していこう
しかし、弱気な態度では勝てない。キャリアーがフロックに勝つには、キャリアーの方がフロックたちを騙していく必要があります。
例えば石化したフロックが目の前にいるとするなら、後ろを振り返って前進するフリをしてすぐフロックにライトを当てるとか。
せっかちなフロックならすぐに騙される。キャリアーのちょっとした動きに反応してしまうのでしょう。
キャリアーになったらそういう風にフロック達を騙していくしかない。
でも、最初から最後までキャリアーとして生き残るのはまず無理。キャリアー1体に対してフロックは最大4体もいるし。鬼が4人もいる鬼ごっこで遊んでいるかのような感覚です。
だからやっぱり、キャリアーになったらひたすら逃げるしかない。これ王道。
しかも、フロックを殺すためのライトが突如消えてしまうこともあるので、結局フロックに殺されてしまう。
キャリアーの状態でフロックに殺されたら、そのフロックが新たなキャリアーとなり、キャリアーだったプレイヤーはフロックに戻ります。これの繰り返し。
てな感じでゲーム自体は非常にスリリング。楽しかったです。最初は。
すぐ飽きた!
ですが、マルチプレイを初めて30分後。速攻で飽きました。
プレイできるマップは発売初日の時点で「スラム」「テンプル」「洞くつ」の三つのみ。
ゲーム自体はシンプルで分かりやすい作りになってますが、悪く言えば深みがない。浅い。水が多すぎてシャバシャバになったカレーライスみたい。やりこむほどの面白さがない!
最初は面白く感じたんです。最初は。
キャリアーとしてフロックたちに狙われるのは大変エキサイティングでスリル満点でしたし、フロックに襲われた時の衝撃は自転車をこいでる時に自動車にひかれて事故った時の感覚と似てました。
しかし、その衝撃もプレイを重ねるにつれどんどん薄まっていき、次第に不快に感じるようになりました。ウリであるはずのスリルが「ただの不愉快」に変わり、邪魔になったのです。
フロックに襲われたとしても「あーはいはい。死んだのね」ってな風に思うようになりました。最初は初めて肝試しに挑戦するような感覚でプレイできていたのに。
なんというか、もうどうでもよくなったのです。めちゃくちゃつまらない。何が2億人死んだら販売停止だ。フザけんな。そんなのただの飾りじゃねーか。ゲーム自体がつまらなかったら意味ねーじゃねーか。人口がゼロに近づくとエンディングが観られる? そんなのもうどーでもいいわ。しかも自分のWindows10環境だとフルスクリーンで遊べないし、キーコンフィグもなんかバグってるし、遊べる要素が全然ないしスカスカじゃねーか! アーリーアクセスの表記がないのに作りがアーリーアクセス並み!! あとなんで人口がゼロになるまでつまんないゲームで遊ばなきゃいけねーんだよ。俺はボランティアじゃねーーんだよクソッタレ!!!
おっとっと。つい口を滑らせてしまいました。お見苦しいところをお見せして本当に申し訳ありませんでした。心より謝罪いたします。ごめんちゃい。
The Flockの良さとは
新たな試みを実施してくれて嬉しい
2億人死んだら販売停止。そんなゲームは今までなかったし、そういう仕様にするのはとても勇気のいる判断だったと思います。
だから、The Flockの斬新さについては個人的に高評価なんです。実際、The Flockの斬新さに惹かれて買ったわけですし。
こういう仕組みって他のゲームでも採用されそうな気がするんですよね。例えばTeam Fortress 2で「新しいゲームモードで100万人死んだらラスボスが登場します!」みたいな感じで採用されたりしそう。
というか「〇〇人死亡でサービス停止します」みたいな発想は、シヴィライゼーションVのようなドハマりするゲームにこそ真価を発揮するんじゃないでしょうか。
The Flockがすぐに飽きるゲームじゃなければ全然よかったんですけどね。いや、初めは面白いんですよ。初めは。
フィナーレまでに追加されるDLCは無料
The Flockは正直言ってまだスカスカな状態ですが、FAQを読む限りエンディングまでにいろいろとコンテンツが追加される予定みたい。しかも、アップデート(追加コンテンツ)は無料で受けられるようです。
The Flockにすぐ飽きて失望しましたが、新たな要素が追加されるとなればまだまだ希望が持てる。
やっぱエンディングが気になる
飽きた直後はフロックの数がゼロに近づいた時に観られるエンディングなんてどうでもよくなったわけですけど、一度就寝してからもう一度The Flockに思いを馳せてみると、「あ、やっぱりエンディングは気になるわ」と思うようになりました。
マルチプレイを30分遊んですぐに飽きましたが、エンディングは一体どんなもんかと。Humble Bundleストアで買ってしまってもう返品できない以上、これは確かめてみるしかないなと。
人口が2000人以下にならない限りもうプレイすることはないでしょうけど、やっぱエンディングは気になる。気になり始めてきています。
フレンドと遊ぶならアリ
The Flockの開発者さん達もがんばってこのゲームを作ったはずだし、The Flockというある意味「幻になるであろうゲーム」を作ってくれて感謝しています。本当にありがとう。
でも、言いたいことは素直に言わせてください。最初は楽しく感じたけど、すぐ飽きた。
このゲームの卑怯な点はですね。実況動画を見てるとめちゃくちゃ面白そうなゲームに見えることなんです。
The Flock Gameplay Walkthrough Part 1 Let’s Play Playthrough Review 1080p HD – YouTube
The Flockは友達と遊ぶなら絶対にワイワイできるゲームなはず。
いや、大抵のゲームはフレンドと遊べば必ず楽しく感じるんですけど、The Flockはフレンドと一緒に遊ぶタイプのゲームだと思う。知らん人と遊ぶより、フレンドと遊ぶ方が楽しいでしょう。当たり前か。
The Flockのエンディングは何年後に観られるのか計算してみた
仮に1日に1万人死亡するとしたら、2万1535日でサービス終了。あれ、この計算だと59年掛かるけど……。
あ、いや1日に10万人死亡すると仮定すれば2153日で終了だから、約6年ですわ。6年ぐらい経てばエンディングが観られるでしょう。
パッチが当てられてさらに面白くなったら評判が評判をよび、その結果プレイヤーが増えて、死亡回数は加速度的に増えるかもしんないし。
ま、今のペースだと3日で3万人ぐらい死んでるので……自分が死ぬまでにエンディングが観られればラッキーかな!
お金の価値を再確認したいなら買いましょう!おすすめの一品です!
というわけで、The Flockのレビューは以上です。
The Flockをそんなにやりこんでプレイしたわけじゃないし、もしかしたらとことんやり込めば面白さを見いだせるかもしれない。このレビューもThe Flockと同様に浅いものになってしまったのは否めません。
しかしこれだけは言わせてください。このゲーム、すぐに飽きるんです。少なくとも発売初日のバージョンでは。
だから、むしろこのゲームは倹約家の皆様にはおすすめなゲームとなっています。
Steamでの評価・評判は記事執筆時点だと「賛否両論」となっていますが、お金の価値を再確認したいならおすすめです。ぜひ買いましょう! 1680円をドブに捨ててみましょう! たまにはお金を捨てる勇気を発揮してみてはどうでしょうか?! この童貞ども!!! クソッタレ!!!!! クソがクソがクソがクソがアァァァァーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!
なんでこんなゲーム買ったんだろう
追記
のちにThe Flockの開発者が、このゲームの失敗を認めました。個人的には好感度アップ。30分で飽きるっていうのは自分だけじゃなかったようで。また、2015年10月末には大型アップデートが来るそうです!
ちなみに、The Flockは30点台のメタスコアを記録しています。(100点満点中)