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脱獄シミュレーター”The Escapists”(ジ・エスケイピスト)に超絶苦戦した(感想/レビュー)。囚人が刑務所(監獄)から脱走するのがこれほどまでに難しいとは…。クラフト機能、複数の脱出経路、脱獄映画・海外ドラマのような要素も。攻略wikiを見ずにノーヒントで遊ぶのがおすすめ。
目次
The Escapistsとはどういうゲームなのか?
Steamで買った脱獄ゲーム「The Escapists」(ジ・エスケイピスト、発音的にはジ・エスケイピスツ?)をクリアしようとしましたが、予想していたよりも手こずりました。
The Escapistsというのは、何らかの罪によって刑務所に入れられた囚人(プレイヤー)が、刑務所のルーチンワークや他の囚人からの依頼をこなしつつ、脱獄を目指すゲームです。
脱出ゲームがドット絵になったものと考えてもらうと分かりやすいでしょう。グラフィックはスーパーファミコン並み。
The Escapists: You Will Never Escape Trailer – YouTube
この脱獄シミュレーターは「Mouldy Toof Studios」という独立系開発会社が作った、いわゆるインディーズゲームです。kickstarterで資金調達していたゲームでもあります。パブリッシャー(販売元)はWormsシリーズ等を販売している「Team 17 Digital」。
想定外だったのが、アーリーアクセス版(Early Access version)、つまり開発版をプレイしたのにさくっとクリアできなかったこと。
「インディーズゲームだし、しかもまだ開発版だし、1~2時間でクリアできるっしょ」
という予想は完全に裏切られました。一つの刑務所(マップ)をクリアするのに17時間以上(ゲーム内で2ヶ月以上)も掛かってしまいました。
正直言ってインディーズゲームを舐めてました。開発版を舐めてました。
海外ドラマの「プリズンブレイク」(Prison Break)や「ショーシャンクの空に」(The Shawshank Redemption)みたいな脱獄ゲームと言っても、どうせ楽勝にクリアできるんでしょ?って思ってましたが、その認識は甘かった。
結論から言うと、The Escapistsは買いです。
今のところPC(Windows)のみの対応となっていますが、いつかはMacとLinuxに対応するそうです。
PS4版が発売されるかどうかは不明ですが、Xbox One版が発売されるのは確定しています(動画)。個人的には、iOS・Androidでアプリ化されてほしい。iPadやNexus7等のタブレットでプレイしたい。
また、The Escapistsは今のところ英語しかサポートされていません。しかし、英語が分からなくても大体プレイできちゃいます。ただ、分からない単語があれば意味を確認した方がいいでしょう。
ローカライズに関しては熱心に取り組んでいる最中のようで、いつかは日本語化される?かもしれません。
というわけで、脱獄ゲーム「The Escapists」をネタバレ(攻略情報)を極力控えて、今後プレイする予定の人の楽しみを奪わないように紹介していきます。
囚人はどんな刑務所生活を送り、どうやって脱獄を図るのか
今回紹介するのは開発バージョン(alpha v0.75)です。最新バージョンとは仕様が異なっている場合があります。
ヌルいようで容赦のない監獄
囚人は以下のルーチンワーク(日課)をこなしつつ、脱走経路を探し出す必要があります。
- 朝の点呼(Morning Rollcall)
- 朝食(Breakfast)
- 仕事 or 自由時間
- 正午の点呼(Midday Rollcall)
- 午後の自由時間(Afternoon Free Period)
- 夕食(Dinner)
- 運動タイム(Exercise Period)
- シャワータイム(Shower Block)
- 晩の自由時間(Evening Free Time)
- 晩の点呼(Evening Rollcall)
- 消灯・就寝(Lights Out)
現実の刑務所と比較すると、かなり楽な時間割りになっています。昼前には仕事が終わるし、仕事が割り当てられていない囚人は自由時間を満喫できます。
現実よりは楽とは言えど、点呼の時に集合場所にいないと看守に怒られ、警戒度(Guard Heat)が上がります。警戒度が100%になると場合によっては看守たちにリンチされたり、ライフルで撃たれます。
HPがゼロになったら即ゲームオーバー・・・というわけではなく、医務室に送られ、所持禁止アイテムを持っていた場合はそれらが没収されます。看守も怖いけれど、ライフルで狙われたら大抵は死ぬ。
脱獄しようとしているところを看守に目撃されたり、脱獄の証拠を押さえられると即懲罰房送りです。懲罰房送りの場合は所持禁止アイテムが全て没収されます。脱獄に必要なアイテムのほとんどは所持禁止なので、懲罰房送りはかなりキツイ。
点呼を無視して別の場所に行っていたりすると、急に自分の独房や机を検査(shakedown)されて所持禁止アイテムが見つかってしまうことが多々ありました。
点呼の時に独房を検査する対象がランダムに二人決まります。机に所持禁止アイテムを保管している状態で、検査の対象になったことを知らずに他の囚人の机を漁っていたりすると、懲罰房送りになって所持禁止アイテムを失うわけです。
「看守なんてちょろいちょろい!」と甘く見ていると、必死にかき集めた物資が全て消えちゃいます。所持禁止アイテムを全ロストした時の喪失感たるや…。
脱獄するには柔軟な発想と根気が必要
刑務所の穴をついて脱走経路を探していくわけですが、ルーチンワークを淡々とこなしていただけでは絶対に脱獄できません。絶対に。
頭を使って刑務所を攻略する必要があります。
クラフティングノート(Crafting Note、レシピみたいなもの)を消費するとアイテムの作り方が一つだけ判明し、ジャーナルに記録されます。
アイテムの作成方法がジャーナルにたまってくると、クラフティングノートを消費しても「既に作成方法が判明しているアイテムの作成方法」が判明する場合が多々あります。
本当に運が悪いと、脱獄の際に絶対に必要なアイテムの作成方法が永遠に分からないかもしれないのです。(ここに関しては仕様を変更してほしい)
よって、壁にぶつかったら柔軟な発想で脱獄に必要なアイテムを作成(クラフト)しないといけません。
もちろん、刑務所の構造を頭に叩き込むことも重要だし、看守の移動ルートや行動パターンを把握する必要もあります。そういった事を完全に把握する過程で、何度も看守に殴られ、ライフルで撃たれることでしょう。突如として囚人から拳が飛んでくることもあります。
映画「大脱走」ではトンネルを掘って脱走する計画が立てられたそうですが、The Escapistsでもトンネルは掘れます。
しかし、疲労度(Fatigue)と耐久度という概念があり、一晩でトンネルを開通させることはまず不可能。
看守の目を逃れて穴を掘る。疲労度がたまったら寝る…を繰り返しても必ず問題が発生します(ネタバレになるので詳細は伏せます)。私はこの問題をどうやっても解決できなかったので、別の方法で脱獄しました。
一つだけ言えるのは、塀の壁を超えるには「必ず脱獄してやる」という意志と根気が必要不可欠ということ。
ノーヒントでプレイするから面白いのに、途中でネット情報(攻略wikiとか)を見ちゃうのは本当にもったいないです。諦めずにいろんな方法で試行錯誤しましょう。
地獄の沙汰も金次第
良い子ちゃんぶって模範囚のままで満足してはいけません。脱獄するためには悪いことをたくさんしないといけないのです。
他の囚人の机からアイテムを盗むのは序の口。賃金の高い仕事につくためには、その仕事についている囚人を妨害しないといけません。
仕事につくと、仕事場へ出入りする権利が特別に与えられます。刑務所でつける仕事には、素材から製品を作る作業や洗濯などがあります。
仕事場では脱獄に使えそうなアイテムが無限に入手可能。しかし、普通にアイテムを持ち出すとライフルで撃たれます。
仕事場から出入りする前に(金属探知機みたいな)所持品検査ゲートを必ずくぐることになる。これが非常に厄介。アイテムを仕事場から持ち出す方法に関しては、頭を使って解決するしかないです。
また、他の囚人からの依頼をこなすとお金が貰えます。「アレを調達してほしい」「あの囚人を痛めつけてほしい」「あの囚人からアレを取り戻してほしい」「ディナーの時に混乱を起こしてほしい」などといった依頼がありますが、中には「看守をぶっ倒して欲しい」という依頼も…。
汚いことをしながらお金を増やし、他の囚人から役立ちそうなアイテムを買い、いざ脱獄!・・・と簡単に終わるゲームではありませんでした。
ノーヒントで脱獄するのは困難
The Escapists…このゲームをノーヒントでクリアするのは大変難しい。脱獄しようと思っても壁にぶつかる。
今のところ100種類以上のアイテムがあるのですが、重要そうなアイテムを何に対して使えばいいのかが分からない。そして、絶対に必要なアイテムの作成方法が分からない。
「アレはアソコで使うんじゃないか?」「アレとアレを組み合わせてクラフトすればアレが完成するんじゃないか?」と仮説を立て、実行する。という作業を何度も繰り返しました。
アイテムを作成できたとしても、それをどこに使うかが問題になってきます。とにかく考えて行動。試行錯誤の連続。
クラフティングノートの仕様のおかげで、考えて行動しないと脱獄できないようになってます。
クラフティングノートを消費するとランダムでアイテムの作り方が判明するのですが、後半になると判明するのは既に作成方法を知っているものばかり。
このせいでクリアするのに時間がかかりました。そして、作り方が判明していないアイテムも作成できることを後半まで知りませんでした…。
最終的にはロードを繰り返してそこらに落ちているクラフティングノートを消費し、重要アイテムの作成方法を突き止めました。クラフティングノートで判明するのはまだ作成方法が分かっていないアイテムだけにして欲しいなあ、と思ったり。
いや、クラフティングノートがランダムじゃなくなると考える楽しみが減る。クラフティングノートの仕様に関しては悩ましいところです。
重要なアイテムの作り方も大事ですが、アイテムをどこに使ってどうやって脱獄するかがこのゲームのキモです。脱出経路は複数あるらしいですが、アイテムが揃ったとしても脱獄のタイミングを間違えれば即懲罰房送りにされます。
何度も脱獄を決行しましたが失敗の連続でした。しかし、諦めずに挑戦すれば必ず脱獄できます。
とにかく情報が大事です。脱獄する際は、何らかの情報を持って帰ることを目標にしましょう。
情報とアイテムを駆使すれば、必ず脱獄できるはずです。
脱獄に成功した感想
▲娑婆に通じる扉についている「白い錠前を解除できる鍵」は存在するのか…?
The Escapistsには、変装したり、凶器を装備したり、知り合いと面会したり、他にもいろんな要素があります。
ノーヒントでクリアするのは本当に難しかったし、途中でネットで攻略方法を検索したい気持ちに駆られました。しかし、脱獄ゲームはノーヒントでクリアすることに意義があると思います。
なので、プレイ中はThe Escapistsに関する情報を検索したり、Steamのコミュニティハブを開いたりしてはいけません。絶対。
17時間以上費やして脱獄に成功しましたが、本当に苦しかったです。どうやら脱獄するのに10時間以上掛かった人は少数派のようです。ゲーム内の日数だと、65日掛けて脱出できました。
▲後半はロードを多用したため、ゲーム上では12時間42分で脱獄したことに
ずっと同じルーチンワークを繰り返しつつ、脱走経路を探る日々。脱走計画を立て、それを実行しては医務室送りにされる。
辛かった。脱獄を図ろうとする囚人の気持ちが痛いほど理解できました。プレイ時間が8時間を超えたところで、心身ともに囚人になっていたのだと思います。
The Escapistsでは規則正しくルーチンワークをこなしていきます。トレーニングや仕事は、QとEを連打したり、アイテムをクリックしたりするだけ。本当に単純作業です。
でも、全然飽きませんでした。プレイ中は、「どうやって脱獄するか」という思考が脳の中を90%以上占めているので、ルーチンワーク自体は苦ではなかった。本当に苦しいのは脱獄の糸口さえも見つからない時です。
楽しけど苦しい。苦しいけど楽しい。そんなゲームでした。
ちなみに、なぜかDayZの生みの親「Dean Hall」が刑務所長(NPC)として刑務所にたま〜にやって来ます。殴ってもダメージを与えられません。未だに謎のNPCです。
完成版に実装される予定の機能・要素
プレイしたのは開発版ですが、ゲームの基礎部分はしっかりと出来ていてちゃんと遊べました。ただ、脱獄後の演出をもっと達成感が感じられるものにしてほしいなあと思いました。ちなみに、クリア後のセーブデータは脱獄した日の朝で止まっています。
セーブスロットはまだ一つしかありませんが、今後増える予定。
さらに、完成版にはより多くの脱走経路・アイテム・NPCが実装される予定です。マルチプレイに関してはまだアイデアを募集している段階。
参考:The Escapists Early Access FAQ, The Escapists Preview
完成版は2015年以降に発売される予定。完成版は開発版よりも値段が高くなります。今は980円。安く購入するなら今のうち。あるいはセールを待つか、Humble Bundleで投げ売りされるのを待つか(何年後かは分からない)。
まだプレイできる刑務所(マップ)が一つしかないのは開発版だからしょうがない。でも、個人で刑務所を簡単に作成できるようになったら、このゲームはさらに化けるかもしれません。
刑務所作成機能(Prison Editor)は実装される予定です。将来的には、アルカトラズ島みたいな難攻不落の監獄を作ったりして、簡単に配布・ダウンロード・プレイが出来るようになる…はず。