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【ストーリーのネタバレ無し】マンモスが生きていた石器時代を舞台にしたFar Cry Primal(PC/PS4/XboxOne)は、人間そのものをテーマにした泥臭い作品だった。ビーストマスターはおまけ程度の能力で、ファークライ4と比べてあまり進化してないけど、物語は案外深いのかもしれない。
目次
『ファークライ プライマル』とは
ファークライシリーズ5作目となる『ファークライ プライマル』(Far Cry Primal)は、紀元前1万年の中央ヨーロッパを舞台としたオープンワールドアクションFPSです。
プレイヤーはウィンジャ族の「タカール」として、ビーストマスターとなって野生動物を従えつつ、野蛮な世界を生き抜いていくことになります。
まとめ
簡潔に感想をまとめると、ストーリーは石器時代の登場人物を中心に語られるから「本能的かつ衝動的」に仕上がっていて、その根本には「人間性」が込められています。
また、敵拠点を占領していくゲーム性は健在。銃は使えず弓矢と棍棒をメイン武器として戦うことになるので、前作と比較してステルス性は多少高まっています。野生動物に対して命令できることが少なく、ビーストマスターの能力が小さくまとまってしまっているのが残念。
前作と比べてパッとしないゲーム性
マンモスが跋扈する石器時代をテーマに、バカで単細胞で原始人みたいな登場人物が織りなすストーリーは、アホらしくもありましたが意外と新鮮でした。
しかし、ゲーム性は微妙です。だって前作『ファークライ4』(Far Cry 4)からあまり進化してないんですから。結局は広い世界にある敵拠点を、ステルスや多彩な武器で攻め落としたり、ランボープレイで大暴れするのがメインです。それはそれで緊張感もあり、アツい戦いになるんですけどね…。
おまけ程度のビーストマスター
新しく追加された『ビーストマスター』(野生動物を服従させて戦わせる)という能力は、動物に乗ったり敵に対して攻撃命令を出したり、あるいはフクロウで拠点を偵察できるぐらいしか幅がなく、ファークライシリーズに大きな革新性をもたらすものではありませんでした。
むしろペットに対して「邪魔! お前はあっち行ってろ!」という場面が多かったです。ステルスで拠点を落とす時は非常に邪魔になる存在で、ペットの姿が敵に見られようもんなら大勢の部族に加勢されるし、せっかくの狩人気分が台無しになることがほとんどでした。
なので後半は、支配したい拠点からかなり遠めのところにペットを待機させておいて、一人で原始人たちの背中を棍棒で叩いたり、弓矢でヘッドショットを決めるようになってました。
「ステルスプレイの緊張感」は健在
とはいうものの、やはり拠点をこっそりスパイ的に潰していくのは「糸が切れるか切れまいか」みたいなドキドキ感があります。隠密中に姿を見られて大勢の敵を笛で呼ばれて、今までの苦労が台無しになって「ランボープレイ」に突入して撹乱作戦を取らざるを得なくなるのも、案外悪くはありません。
ただ、ペットのせいで台無しになるのがちょっと嫌でした。しつけが悪かったのかな。
意外とメインミッションが続く
多数の収集要素を無視してメインミッションをまっすぐプレイしていったわけですが、ゲームとしてのボリュームはかなりあると思います。
メインミッションだけでも最低10時間以上はかかりますし、観光スポットを一つ一つしらみつぶしに見に行ったらそれだけでゴールデンウィークが終わるんじゃないでしょうか。
石器時代らしいド派手な演出
『ファークライ プライマル』は、『ファークライ3』や『ファークライ4』を楽しめていた人にとっては銃が恋しくなる作品かもしれません。
途中で「銃をぶっぱなしてぇなぁ…」と思ってしまったのは事実ですし、なんかこう、ハリウッド映画的な爆発が少ないのはちょっと寂しかったです。
しかし、「石器時代らしいボス戦」や「大型野生動物の確保ミッション」が用意されてますし、現代的な演出を駆使したゲームとはまた違った味がするのも確かです。
それでも原始人をバカにできんのか?
ネタバレを配慮しつつ説明すると、個人的には「とある人物が主人公に”何か”を託すシーン」が気になりました。あれはまさに人類が一歩前に進んだ瞬間なのではないかと思うのです。
あんな人間的な行為は、よくよく考えてみたら現代人だってそう簡単にできないはずです。だってみんなあるでしょ。プライドとか、世間体とか、「人から良く見られたい」みたいな気持ち。
「お前ら現代人は、それでも原始人をバカにできんのか?」というメッセージが込められている気がするんです。思い返してみると、人間として共通するテーマが根本にある作品でした。
泥臭いけど、みんなヒトだった。