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名作ミステリー・サウンドノベルの影絵部分(青人間)をビジュアライズし、炎上してしまったPS Vita対応ソフト『かまいたちの夜 輪廻彩声』の、信者目線のレビュー(感想)。新規シナリオ「辺獄の真理編」がぶっ飛んでた。キャラクターが絵でも全然悪くないし、可愛い。声もコミカルで大変良い。新作の発売を強く希望…はずっと前からしてる。
(このページでは、スパイク・チュンソフトを代表とする共同著作者が権利を所有する画像を引用しております。© Spike Chunsoft / 我孫子武丸 / Estuarium / MAGES.)
評価・レビューの概要
「かまいたちの夜」のリメイク版である『かまいたちの夜 輪廻彩声(りんねさいせい)』を、PS Vitaでプレイしました。
「かまいたちの夜」はサウンドノベルと呼ばれる分野のゲームで、雪山にあるペンション「シュプール」を舞台に、場面場面で出現する選択肢を選びつつ、選択肢によってストーリーが枝分かれしながら、誰が殺人鬼なのか推理していくミステリー作品です。推理に失敗すると犠牲者が次々と増えていきます。
その「かまいたちの夜」がビジュアライズされ、各登場人物に声が追加されてPS Vitaのソフトとして蘇ったのが『かまいたちの夜 輪廻彩声』です。
キャラクターの描写方法がシルエット(青人間、または影絵)から最近のアドベンチャーゲームにあるようなイラストに変わり、イラストを描いた絵師の方がTwitterで謝罪したりと、炎上していた作品です。
…が、炎上するほど悪いわけではありませんでした。イラストでも普通に良い。というより、イラストの方が良いと言う人もいるかもしれません。僕は原作のシルエットの方が好きなので、そりゃシルエットの方がよかったですが、意外と意外、イラストも悪くなかったです。
基本となるミステリー編などでは多少は現代風にセリフがアレンジされていて、今の若い子たちでも違和感なくプレイできるかと思います。
個人的には追加シナリオの「辺獄の真理編」が衝撃的でした。原作を知っている人の心理を突いていて、いやー巧いなと。もしも「辺獄の真理編」がスーパーファミコン版に収録されていたら、「かまいたちの夜」の伝説度がより高まっていただろうな、と思いました。
ちなみに僕は「かまいたちの夜」のファン…というより大ファンで、初代も「かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄」も「かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相」も前作「真かまいたちの夜 11人目の訪問者」も全てプレイ済みです。もちろん二次創作の「煉獄 -かまいたちの夜2 another-」もクリアしてます。
「かまいたちの夜シリーズ」はよく「どの続編も初代を超えられなかった」などと言われがちですが、残念ながら僕はシリーズ全作品が好きなので『かまいたちの夜 輪廻彩声』も十分楽しめてしまったのです…。
僕は「かまいたちの夜」が大好きな、いわゆる信者です。信者だと思います。「真かまいたちの夜 11人目の訪問者」のアマゾンにおけるカスタマーレビューが低くて「皆のやっているゲームと自分のやっているゲームは違うのかな…?」と思っちゃってるくらいです。
ちなみに「真かまいたちの夜 11人目の訪問者」にはオンライン要素がありました。そのオンライン対戦の初回で、「かまいたちの夜」の原作者である「我孫子武丸」氏のものとしか思えないIDの人が1位をバッチリ取っていて、自分は僅差で2位だった話をしたいところですが、長くなるので割愛します。
そんなこんなで本作のレビューはかなり偏ったものになるかと思いますが、「このレビューを書いてる奴は信者だ」と思って頂けると、よりフラットな目線で読めるかと。
僕もなるべくフラットに、まな板のように平らにレビューしていくつもりですが、やはりどこかで突き抜けてしまう部分があるかと思います。すみません。
もちろん、まだプレイしていない人たちの楽しみを奪わない程度にネタバレを回避しています。情報ゼロの状態から本当に『かまいたちの夜 輪廻彩声』を楽しみたいのであれば読まない方がいいです。グッバイ!
イラストでも全然悪くない…むしろ良い?
シルエットがいいのか、イラストの方がいいのか…。この問題は「鶏が先か、卵が先か」問題と同じだと思います。もしも原作のキャラクター描写がイラストで、本作から急にシルエットに変わったら「イラストの方が絶対によかった」と言う人が続出したのではないでしょうか。
結局のところ「シルエットかイラストか」といった問題は原作があまりにも素晴らしすぎたために起きた問題なのではないかな、と思っています。
初代のリメイクが決定した時、正直ぼくは「続編じゃないのか…」と落胆しましたが、「初代をプレイしなおすいい機会だ」と考えを改めることにしました。
たださすがの僕も、オープニングムービーをきゃぴきゃぴとしたアイドルが歌っていることに関しては拒否反応が出ました。これが「コレジャナイ感」か!と。
しかし「これは開発側の挑戦なのではないか?」と結論付けるまで、そう時間は掛かりませんでした。もしかすると「かまいたちの夜」をビジュアライズして発売することは新作への布石なのではないか、と思うようになっていったのです。まぁ、これはただの妄想なんですけどね…。
肝心のグラフィックはどうだったのかというと、レビュー概要でも述べた通り、悪くありませんでした。むしろイラストだから光る部分もあって、シルエットもイラストもどっこいどっこいなんじゃないかな、と思い至りました。
シルエットからイラストに変わって良かった点は二つあります。それは、「女の子がかわいい」という点と「ちょっとエロい」の二点です。
真理は僕が原作をプレイ中にイメージしていたよりも遥かに美人で、しかもスタイルがセクシー。
さすがにキャラクターの可愛さを直接表現することに関してはシルエットだけでは表現できないことで、もちろん文章とシルエットだけの方がプレイヤーにとって都合のいいイメージが作り上げられることもありますが、イラストの良い点はやはり目にダイレクトにキャラクターの魅力を訴えかけることが出来る点です。
僕はずっとおっぱいが気になってました。おっぱい、おっぱい、いろんなおっぱい…。
え? こういうのエロゲーって言うんですか? エロゲーはやったことないから知らないなー!
とまあ、おっぱいおっぱい言うておりますけれど、実は『かまいたちの夜 輪廻彩声』は18禁です。「CERO Z」が掛かっております。と言っても過激な性描写は出てこず、グロいから18禁になってしまっただけかと。
グロ描写は正直、シルエットの方が良かったですね。イラストだと「ウッ…」とくる部分があります。
フルボイスは意外と良い
『かまいたちの夜 輪廻彩声』では、登場人物たちのセリフが全て音声で流れてきます。ここでもボイス有りか無しか…といった問題が出てきますが、はっきり言って「あって良かった」と思います。
主人公である透の馬鹿さ加減がコミカルに表現できていました。本編であるミステリー編をクリアし、様々なエンディングを観た後にプレイ可能となる「Oの喜劇編」ではさらに登場人物たちがイキイキとツッコんだりボケたりする感じで、原作をプレイ済みの僕でも大いに笑わせてもらいました。
TBSラジオで放送中の「JUNK伊集院光深夜の馬鹿力」の1コーナーである「Yahoo!クソ袋」で声を担当している人の声と、透の声が非常に似ていました。そのせいもあってか、とにかく透の声が秀逸に感じたのです。
「JUNK伊集院光深夜の馬鹿力」をよく聞く人なら分かるかと思いますが、真面目な人が真剣にバカをやる感じです。あの感じが透とかなりマッチしていました。
ちなみにフルボイスといっても「地の文(台詞以外の文章)」はボイスに対応しておらず、声をだして欲しくないキャラクターに関しては個別に声をオフにしたりできます。
「辺獄の真理編」に絶望
ここからは追加シナリオの話。原作を知っている人なら「かまいたちの夜」には本編だけじゃなくて、本編をクリアした後に「オカルト編」や「スパイ編」など新たな話がプレイ可能になることはご存知だと思います。
『かまいたちの夜 輪廻彩声』では「辺獄の真理編」という新規シナリオが追加されました。「辺獄の真理編」は「竜騎士07」というお方が書いておられるそうで、度肝を抜く展開が二転三転する話でした。
核心的なネタバレをしないように「辺獄の真理編」の内容を少しだけ言うと、主人公の透が真理へドリンクを持っていく場面があり、そこで透らしくない選択肢を選んでしまうとシュプールにいる人たちに地下に連れられて処刑されてしまう…というのが延々とループする、といった内容です。
処刑というのは何かのたとえとかではなくて、本当に処刑されてしまうのです。チェーンソーか何かで。しかも何度も。
「これは永遠に続くのか?」というくらい処刑されるので、その展開に絶望しました。もうクリアするのは無理なんじゃないか、と。
ループの後にまだまだ話が続くというのがまた驚き。「つらすぎる」が二度か三度、襲ってきます。まさに地獄。地獄を通り越して地獄の向こう側。なぜこれが「辺獄の真理編」なのか理解できる頃には、もしかするとちょっと泣いてるかもしれません。僕はギリギリ我慢できましたが。
そもそも透と真理の「友達以上恋人未満」な関係って違和感があるじゃないですか。シュプールの部屋も別々にとってありますし。あの原作の設定を守りつつ逆転の発想で構築されたのが「辺獄の真理編」です。
法治国家である日本で民間人による処刑がなぜ許されているのか…? そして、なぜ何度も透は同じ場面をループしてしまうのか。「辺獄の真理編」の謎がすぐに分かる人はまずいないかと思います。
「辺獄の真理編」のためだけでも『かまいたちの夜 輪廻彩声』を買ってよかったな、と思ったのが正直な感想ですが、こう書くと「どうせ商品を買わせてアフィリエイトで稼ぐための嘘だろ…」と思われてしまいそうなのが怖いです。
「辺獄の真理編」は本当にひっくり返ってます。
最後に:原作を知らない人も、記憶に自信のない人も
ぶっちゃけて言うと本編であるミステリー編はほとんど楽しめませんでした。だって誰が犯人か知っているんですもの。ミステリー編では原作との違いを見つける楽しみと、おっぱいを眺める楽しみくらいしかありませんでした。
とは言うものの、ミステリー編以外の「鎌井達の夜編」や「チュンソフ党の陰謀編」、そして金のしおりを入手すると聞ける「ちょっとエッチなかまいたちの夜」などは、原作プレイ後からかなり時間が経っていて記憶が抜け落ちていたため、十分楽しめました。
ミステリー編以外にも謎解き要素はそこそこあります。「出題編」や「真理の探偵物語編」とか。
今後「かまいたちの夜シリーズ」の新作が発売されるのかどうかは分かりませんが、「かまいたちの夜をプレイしたい!」という欲はだいぶ満たされたので、まぁ良かったかなと。
新作の発売を切に願います。ただ、新作はやっぱりシルエットでお願いしますね!
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