『フォーオナー』評価/レビュー。1対1のデュエルが面白いが先行き不安

フォーオナーのイメージ画像

PS4・Xbox One・PC(Steam/Uplay)対応の剣戟アクションゲーム『フォーオナー(For Honor)』の製品版をプレイした感想。マルチプレイの1対1で行うデュエルが本当に楽しい。ストーリーモード(キャンペーン)の物語はC級映画並みだが、操作を覚えたり世界観を知るためだけなら十分な出来になっている。早めにランクモードが実装されないと過疎るかも。

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(このページでは、Ubisoftを代表とする共同著作者が権利を所有する画像を引用しております。© 2016 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved.)

評価・レビューの概要

Ubisoft(ユービーアイソフト)が発売した剣戟アクションゲーム『フォーオナー(For Honor)』を一通りプレイしました。物語の内容はともかく、ストーリーはチュートリアルとしてなら十分機能していて、マルチプレイは1対1のデュエルが突出して面白かったです。

リーチの長い「野武士」対、ガード崩しの得意な「ヴァルキリー」

リーチの長い「野武士」対、ガード崩しの得意な「ヴァルキリー」
引用:『For Honor』

マルチプレイにはデュエル以外にも数種類のゲームモードがありますが、デュエルに興じている際だけは集中力が一点に集まり、なぜかデュエルにだけハマってしまいます。デュエルの出来は本当に素晴らしいと感じました。

デュエルが面白すぎて他のゲームモードはやらなくなるくらいです。デュエルに飽きたら4対4とか2対2とか、他のゲームモードに息抜き程度に参加して「ワーワー」とお祭りをする感じです。

後は物語の内容が酷かったのが印象的でした。ただB級映画、あるいはC級映画として観るなら全然ありだと思います。物語は侍・ナイト・ヴァイキングの三大派閥が戦争するといった内容でしたが、スタイルがそれぞれ違う物をうまく一つにまとめるのは難しいのかもしれません。

結論としてはストーリー目当てで買うゲームではありません。マルチプレイで知らない人と1対1のガチなチャンバラごっこをしたいなら非常におすすめです。

一通りプレイしたらすぐに飽きるものだと思っていました。しかし全体で16時間以上プレイした後もデュエルでしか味わえない緊張感を忘れることができず、永遠に1対1で殺し合いたい気持ちが保ち続けられています。中毒性はけっこうあるんじゃないでしょうか。

ちなみに僕はPC版を、Bluetooth対応の「Xbox One コントローラー」を有線接続の状態で使用してプレイしました。

デュエルがとにかく面白い

ヒーローによって戦闘スタイルが違う

『フォーオナー』は剣戟アクションゲームです。簡単に言えば剣や盾を使って戦うゲームです。マルチプレイの対人戦がメインのゲームで、扱えるヒーロー(キャラクター)は発売時点で12人います。ヒーローはそれぞれ専用の技(ムーブ)を持っており、ヒーローによって戦い方や特殊能力がかなり変わってきます。

リーチの長い「野武士」対「野武士」だと、互いに間合いを読み合いすぎて勝敗が決まるのが遅くなることがある

リーチの長い「野武士」対「野武士」だと、互いに間合いを読み合いすぎて勝敗が決まるのが遅くなることがある
引用:『For Honor』

例えば「野武士」の場合はリーチが長く、敵を毒の状態にさせて体力を少しずつ減らしていく戦法がとれます。しかも技を簡単に繋げられる(チェーンを発動できる)ので、敵として戦った場合かなり手こずります。

「守護鬼」は動きは鈍いですが最初の攻撃をくらっても動き続けることが可能で、強攻撃を無理矢理当てて体力を削れますし、危ない時は突進して回復する技をタイミングよく使えば一気に勝てます。が、それをミスるとダメージを受けるのでリスキーな技とも言えます。

他にも武器を振り回すほど強攻撃の威力が高まる「コンカラー」や、カウンター型の「ロウブリンガー」というヒーローもいます。人によって使いたいヒーローは変わってくるはず。BOTとの訓練を繰り返して好みのヒーローを見つけていく過程もまた楽しいです。

初期のヒーローである12人全員を実際に対人戦で使う場合はゲーム内通貨を使用して登用(いわゆるアンロック)をする必要がありますが、チュートリアルやストーリーを進めればかなり早い段階で全キャラクターをアンロックできます。

余った通貨は「プレミアムパック」等を開けて高品質な武器や防具を獲得するために使用したりできますが、今後のアップデートで追加されるヒーローをアンロックするために通貨は残しておくのがいいかもしれません。同じ開発元のUbisoftが発売した『レインボーシックス シージ』と同じく、新ヒーローのアンロックには多額の通貨が必要になってくる可能性があります。

アクションはダークソウルに近いがちょっと違う

アクションのシステムが似ているゲームとして「ダークソウルシリーズ」が挙げられます。しかしダークソウルシリーズとは違い、防御と攻撃時に上・右・左と三通りの方法を取ることができます。このシステムがプレイヤーを真剣な気持ちにさせる上で重要な役割を果たしています。

例えば右に武器を構えたら右からくる攻撃をブロックできます。同様に右に武器を構えた状態なら右に攻撃することになります。

敵が持っている武器の位置も画面上に分かりやすくアイコンとして表示され、プレイヤーはそれを頼りにブロックしたり回避したりします。コントローラーを使用しているなら右スティックを上・右・左にパチンとはじくことでブロックと攻撃箇所の選択が可能となります。

敵をロックオンをすれば基本的に常にブロック状態になります。相手の攻撃が自分に当たる直前にアイコンが赤く点滅するので、その際にRTトリガー(強攻撃)を押すことでパリー(カウンター)を繰り出すことが出来ます。

「ガード崩しのカウンター(相手のガード崩しを無効化してガード崩しをやり返す)」もタイミングよくXボタンを押下することで可能となりますが、相手のガード崩しを無効化するのは非常に難しいので、初心者の人は狙ってやらない方が勝率が上がると思います。

パリーが成功すれば有利になるが、ミスると攻撃をくらうので実行にはリスクが伴う

パリーが成功すれば有利になるが、ミスると攻撃をくらうので実行にはリスクが伴う
引用:『For Honor』

やってみると分かりますが、『フォーオナー』の戦闘システムは意外と単純です。一人か二人のヒーローを使いこなせれば他のヒーローもなんとなく使えるようになります。なぜなら技の発動条件(ボタンを押す順番)がそれぞれのヒーローで共通している部分があるからです。

負けを素直に認めるしかない

本題に戻りますが、これらのアクションのシステムを利用した1対1の対人戦(以下、デュエル)がとにかく面白いのです。

2対2のブロウラーや4対4のドミネーションもやってみましたが、あれらはお祭りです。デュエルと比べたら真剣度が全然違います。

1対1なら他の敵に気を取られることなく殺し合えます。侍同士が決闘をしている場面を思い浮かべて頂くとなんとなくイメージできると思いますが、あんな感じです。

なぜデュエルが面白いのかというと、「技術の差」で明確に勝ち負けが決まるからです。敵と仲間が複数いれば他人のせいにしたりできますが、1対1だと通信障害が起きない限り言い訳できません。また、目の前の敵一人にだけに集中して戦う感じもダークソウルシリーズの対人戦のようなヒリヒリ感があり、病み付きになってしまいます。

ヒーローを使い続けると経験値を得てレベルが上がっていきますが、レベルの差が開いていても恐らく勝敗には関係ありません。レベル1のヒーローでも5レベル以上のヒーローに余裕で勝つことも普通にあります。

「技術の差」というのは結局のところ「ヒーローやゲームの仕様についてどれくらい知っているかどうか」でほとんど決まってくるかもしれません。

具体的には「間合いを読む力」や「タイミングよく攻撃する技術」が重要です。例えば基本的なヒーローである「剣聖」の場合、使える技は少ないですがその分余計なことを考えずに攻撃や防御に集中できますし、実は自分と敵との距離を考えつつシンプルに戦うのがめっちゃ強かったりします。

「ブロックを崩してやる!」とか「パリーしてやる!」とか、「奈落の底に落として一発逆転してやる!」など、いろんなことを考えながら戦うと負ける傾向にあると思います。

橋から落ちたら負け

橋から落ちたら負け
引用:『For Honor』

他にも右の強攻撃を一瞬でキャンセルしてから左から攻撃したり、「ピースキーパー」というヒーローの場合は強攻撃と見せかけて毒攻撃を行えたり、心理戦の要素がかなり強めのシステムになっています。もちろん心理的な面だけでなく、相手のスタミナの量がゼロになった時に猛烈に攻めるなど、当たり前のことを愚直に行う論理的な面もあります。

ブロックや回避をし続けると反撃モードに移行でき、反撃モードだと攻撃力などが高まり、勝つチャンスが生まれます。体力がほとんど無くなったとしてもマップによっては落ちたら即死になる箇所があり、うまく相手をマップ外へ落とせればたとえ試合内容が悪すぎても勝利します。

一発逆転の要素が多少なりともちゃんと用意されているところもまた良いです。

ストーリーは酷いが逆に面白い

『フォーオナー』にはストーリーモード(キャンペーン)も搭載されています。物語は侍・ナイト・ヴァイキングの三大派閥が大した理由もなく戦争をするといった内容で、もしもこれが海外ドラマならすぐに観るのをやめてしまうくらいの内容です。

グラフィックは綺麗だし、ちゃんとしてる感もあるが…

グラフィックは綺麗だし、ちゃんとしてる感もあるが…
引用:『For Honor』

ただこれは物語の内容に限った話。ストーリーモードではほとんどのヒーローを扱うことになりますし、全クリすればヒーローの使い方を大体覚えられるようになっています。難易度がハードだとラスボスがそこそこ強く、かなりいい練習になります。

また後半は、扱いが特殊で比較的操作が難しいヒーローの「大蛇(おろち)」を使うことになりますし、ストーリーモードはチュートリアルとしてプレイするなら非常に良い出来になっています。途中で弓台を使ったり馬に乗ったりとプレイヤーを飽きさせないように工夫されていますし。

物語の内容をここで全てばらしてしまいたいのですが、ネタバレになるので伏せます。ここでネタバレしてもたぶん誰も怒らないんじゃないかという内容なので本当は言いたいところですが、やっぱりやめておきます。

もうすごいんですよ。「ストーリーさん」がずっとツッコミ待ちをしている状態でした。主要なキャラクターが「私は★★だ」と言い出しますし(あれは斬新でした)、ラストで「結局〇〇するんかーい!」と言いたくなりました(ネタバレに配慮して重要なキーワードは★や○で伏せています)。

武士道の精神を大切にしているためか、あるいは侍・ナイト・ヴァイキングが戦争をするというめちゃくちゃな世界観を保つためなのか分かりませんが、「敵を助けてからちゃんと1対1で戦う」という場面があり、それが悪い意味で目立ちました。練習相手としては良いんでしょうけど、ストーリー的には全然だめというか、不自然極まりなかったです。

『フォーオナー』の名誉のために言っておきますが、アクションを楽しむ、あるいはヒーローの操作を覚える、または世界観を知るという点ならストーリーモードはちゃんとしてます。

ただ物語自体はちょっと無理がある感じで、ありそうな映画のタイトルで例えるなら「エイリアン VS プレデター VS メガシャーク」です。

グラフィックは綺麗ですし迫力もあります。魅力のありそうなキャラクターが登場したり、首がぶっ飛ぶ場面が用意されていたり、ちゃんと物語を成立させようとしているところが逆にどんどん面白くなっていきます。つまらない映画であっても見方を変えれば面白くなるじゃないですか。まさにそれです。

最後に:フォーオナーの人気は持続するのか?

とまあ、ストーリーに対して糞味噌言っておりますが、デュエルは本当に楽しいです。ダークソウルシリーズの対人戦が好きな人ならほぼ確実にハマると思います。ただストーリーは捨てましょう。チュートリアルと割り切ってプレイすればある程度の技術が身につきます。

『フォーオナー』には侍・ナイト・ヴァイキングの三大派閥が領地を奪い合う「ファクションウォー」なるものが存在します。これはデュエルなどのマルチプレイに参加し、戦績がいいほど自分の派閥の領地が広がっていくというもので、区切りごとに成績のいい派閥に属しているプレイヤーに対して報酬が多く与えられます。

ファクションウォーはPS4・Xbox One・PCの垣根を越えて展開される

ファクションウォーはPS4・Xbox One・PCの垣根を越えて展開される
引用:『For Honor』

が、この程度のことでは「フォーオナーのマルチプレイに積極的に参加しよう!」という気持ちにはなれず、ファクションウォーは『フォーオナー』の人気を持続させるという点であまり役に立っていないように思います。シーズン1の現時点ではファクションウォーはおまけ感が強いです。

マルチプレイで遊んだ後に自分の領地か敵の領地に「ウォーアセット」を設置して攻めたり守ったりするのですが、ウォーアセットを設置しなくても勝手にゲーム側で設置してくれますし、ゲーム的な要素はほぼ皆無と言ってもいいです。

三大派閥が領土を奪い合うといっても戦略シミュレーションゲームのようには遊べません。マルチプレイ後はウォーアセットを設置すること自体を忘れがちになっています。正直、ファクションウォーなんてどうでもよくなってます。自分の派閥が勝つためだけに戦っている人など、誰もいないのではないでしょうか。

とは言うものの、1対1のデュエルが楽しいので『フォーオナー』が不人気になって過疎ってしまう…なんてことは杞憂かもしれません(杞憂であってほしいというのが本音です)。

プレイヤー(というか僕)のモチベーションが通常のデュエルのみとなっている今の状態のままだと、『レインボーシックス シージ』のように後から人気が徐々に出て来ることはないと思います。いや、でもどうでしょう…個人的にはめっちゃ面白いと思っているので十分人気は続くかもしれません。あるいは一定の数のプレイヤーが細々とプレイし続ける感じでしょうか。

ストーリーモードを少しプレイして「こんなもんか」と勘違いしてしまった場合、オーバーウォッチや別のゲームに戻ってしまうと思います。プレイするならまずはマルチプレイの1対1の楽しさを覚えてからストーリーを進めていくのを強く推奨します。

ちょっと悲観的に考え過ぎかもしれませんが、早急にランクモードやトーナメントを実装しないとプレイヤー人口が減っちゃうんじゃないでしょうか。デュエルは本当に面白いので少しくらいはプレイヤーの数を保っていてほしいです。

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2017.02.05

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ABOUTこの記事をかいた人

頭皮スカスカ系ゲーマー。ゲームの作品性よりも純粋なオモシロ度を重視しています。現時点で最高に面白いと感じたFPSは「レインボーシックス シージ」。「かまいたちの夜」の新作発売を願っています。流行にすぐ乗っかるタイプです。新作ソフトは速攻で売っちゃいます。よく誤解されますが鍵屋推進派ではなく「とにかく安く買いたい派」です。