今年のキングオブコントは本当におもしろかった。私はお笑い通ではないですが、見ていて疑問に思ったことがありました。「バイきんぐは同情票(正しくは同情点)のおかげで高得点を叩きだせたのではないか?」「夜ふかしの会は芸人たちに嫌われているの?」などと勘ぐってました。
バイきんぐは同情点集めに大成功した
「バイきんぐ」。初めて知りました、このコンビ。バイきんぐが芸人から同情点を集めることができた点は以下の通り。
- コンビの内一人がスキンヘッドかつ人相が悪い。
- 2012年の時点で芸歴が16年目。
- スキンヘッドが週五で害虫駆除のバイトをしている。
- お笑いの仕事で稼げた最高額がたったの4万円。
バイきんぐは二人ともそこそこ老けているので、哀愁を感じてしまいます。見た目も良いとは言えない。全く芸人として売れずに芸歴が16年。
「芸歴16年でまだ全然売れてないのか〜。優勝してほしい」と審査する側の芸人なら思ってしまうのではないでしょうか。
バイきんぐはコントがおもしろかったから優勝した
たとえどんなに審査員(芸人)を同情させても、コントがおもしろくなければ優勝することはできません。バイきんぐは、コントがおもしろくなおかつ境遇がかわいそうだから優勝できたんです。
「さらば青春の光」、「かもめんたる」、「うしろシティ」もおもしろかった。この三組はひとつのコントにつき最低でも800点以上は叩きだしました。しかしバイきんぐは、一つ目のネタ「卒業生」で967点、二つ目のネタ「帰省」で974点と、異常に高い点数を叩きだしています。この点数に芸人の同情点が入っていないとは到底思えません。
他と比べてみると、バイきんぐの点数の異常さがわかると思います。
以下、キングオブコント2012の点数結果です。
●さらば青春の光
1st「ぼったくりバー」862点
2nd「痛いの飛んでけ」945点
合計:1807点
●銀シャリ
1st「奥さんをください」754点
2nd「銀行強盗」732点
合計:1486点
●トップリード
1st「コンビニ」711点
2nd「羊」683点
合計:1394点
●かもめんたる
1st「メガネ屋」883点
2nd「作文」907点
合計:1790点
●うしろシティ
1st「転校生」843点
2nd「公園」837点
合計:1680点
●しずる
1st「能力者」913点
2nd「びっくり先生」875点
合計:1788点
●夜ふかしの会
1st「学級会」778点
2nd「カラオケボックス」717点
合計:1495点
●バイきんぐ
1st「卒業生」967点
2nd「帰省」974点
合計:1941点
※上記は1巡目のネタ順。「」内はお笑いナタリー編集部が付与した便宜上の名称です。
引用:お笑いナタリー – コント日本一はバイきんぐ「キングオブコント2012」速報 ※強調、着色は私
バイきんぐのコントは非常に力強く、すごくおもしろかった。バイきんぐの境遇はすごくかわいそうだった。だから優勝できた。あなたなら、スタイリッシュなコントをする若造と、全然売れていない老けたおっさんとなら、どちらのほうがかわいそうに見えますか?
私は、さらば青春の光のコントのほうが好きでした。ただ、バイきんぐには優勝してほしいと願ってしまっていた。それぐらい力強いコントだった。完全に心を動かされた。審査する側の芸人たちもそう感じたのではないでしょうか。
「夜ふかしの会」は芸人たちから嫌われているの?
今回のキングオブコントで一番笑ったネタは、夜ふかしの会の一つ目のネタ「学級会」でした。
腹をかかえて笑ったのですが、得点は778点。なぜこんなに点数が低いのか、全くわかりませんでした。自分の感性が他人よりおかしいのは承知していますが、いくらなんでも低すぎでしょう。
キングオブコントはたくさんの芸人たちが集まって採点する方式をとっています。これだと出場する芸人が、他の芸人から嫌われているほど優勝できなくなります。
それぞれの芸人は個人的感情を捨て、厳正なる評価をくだしているんでしょう。しかし芸人も人間なので、中には好き嫌いで点をあげるかどうか決めている人もいるはずです。
5人で出場した夜ふかしの会のメンバー中には、作家がいたり、俳優として活躍している人がいます。お笑い一筋ではないのにお笑いの祭典に出ている。そういう中途半端なところが芸人の気に障ったのではないでしょうか。
雨上がり決死隊の宮迫さんが俳優として活躍していたとき、「俳優なんか芸人なんかどっちなんや?」とよくイジられていました。お笑いの世界では、お笑い一筋ではない人を異分子として扱う風潮がなぜか存在しているようです。
芸人たちは、夜ふかしの会のことを生意気な奴らだと感じていたのではないでしょうか。「俳優がコントだと?気にくわん!」というふうに。だとしたら点が低いのもうなずけます。
トップリードが今年もビリだった理由
厳密にいうとビリではなく8位なのですが、トップリードが2年連続でビリになったのは呪いのせいです。トップリードに呪いをかけたのは、事務所の先輩である有吉弘行さん。
トップリードは有吉さんがパーソナリティを務めるラジオ番組「有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER」にて、「キングオブコントでビリ(8位)になる呪い」を2年連続でかけられました。それが2年連続で的中。トップリードはビリになった理由を呪いのせいにできるので、有吉さんに感謝しないといけないですね。
さいごに
今年は本当に本当におもしろかった。さらば青春の光のコントは一風変わっていたけどハズレがなかった。かもめんたるの二つ目のネタ「作文」はブラックな感じが良かった。しずるの一つ目のネタ「能力者」はワンピースやハンターハンター、ジョジョを読んでいる人にはウケが良かったと思います。うしろシティの実力には驚きました。
今年のキングオブコントはハズレが少なく、当たりが多かった。「バイきんぐ」には売れてほしいです。