フォールアウト4(Fallout4)のような荒れ果てた世界から自由を見出してしまう理由を真剣に考えた。一部の人にとっては廃墟やスクラップが自由の象徴であり、荒廃した世界こそが天国なのである。荒廃→自由→天国と変換してしまう回路が、人間の脳の中に遺伝子レベルで存在している…という仮説。
人はなぜ「荒廃したモノ」に心惹かれるのか
フォールアウト4(Fallout 4)の発売日が決まりました。2015年11月10日です。しかしこれは海外版の発売日。
日本語版フォールアウト4の発売日は2015年冬となっており、海外版の発売日より少し遅れそうな気配がしております。
日本語字幕・音声(吹き替え)があるのを知り、心のなかでガッツポーズしました。いわゆるフルローカライズですよ。フルローカライズ。
しかし、もしかしたらPC版スカイリム同様、英語版をわざわざ日本語化しないと完全自由にMod導入できないパターンかもしれない…!!!
というのは置いといて、E3(エレクトロニック・エンターテイメント・エキスポ)で公開されたフォールアウト4の動画見ました?
Bethesda 2015 E3 Showcase – YouTube
※フォールアウト4のプレイ映像は1時間11分あたりから。
いやーシビレました。まずグラフィックですよね。宙に浮いてるロボットがテッカテカ。枯れ木ばかりの荒廃感。
ハウジング機能もあればGMOD(Garry’sMod)みたいに兵器も作れる。銃もアーマーも笑ってしまうぐらい自由にカスタマイズできるように。そしてジェットパックまで!なんつー自由度。Modのことを考えるとハンパない自由度になりまっせ。
ウィッチャー3のように主人公も喋ってたし、カメラワークもウィッチャー3っぽい感じ。期待高まる。Fallout Shelterっていう核シェルター管理シミュレーションゲームも発表されたし、驚きの連続です。
ただ、iPhone 4sでFallout Shelterを実際にプレイしてみましたがそれほど面白くはありませんでした。仕事をやらされている感じがう〜ん…。世界観は大好きなんですけど。
※E3の概要はこちらの記事が詳しいです→“プレイヤーにさらに自由を”、E3 2015カンファレンスで発表された『Fallout 4』のすべて | AUTOMATON
フォールアウト4のプレイ映像を見て、ふと思いました。「なんでオレは荒廃した世界にシビレてんだ? おかしくない?」と。
で、考えてみたんですよ。なぜ自分は「荒廃した世界」に心動かされたのか。
荒廃→自由→天国!
先に結論をいうと「荒廃したモノは自由の象徴である」ということではないか、と思うんです。
- 徹底的に破壊しつくされた家
- 枯れ木だらけの荒れ果てた大地(オープンワールド)
- 汚くて臭そうな格好をした盗賊たち
- 廃墟・ゴーストタウン
- スラム街
- 廃材でできた小屋
上記に書いてあるこれらは一部の人たちにとって「自由の象徴」なんです。
フォールアウト4のプレイ映像を見て「ただの天国ですやん」と思った人は多いはず。天国といえば「雲の上で赤ちゃん天使が宙に舞っている場面」をたぶん大体の人がイメージするでしょう。
▲天国のイメージ。雲の上で赤ちゃん天使が宙に舞っているライセンスフリーな画像はなかった
でも、フォールアウトシリーズが好きな人たちにとってはフォールアウトのような「荒廃した世界」こそが天国なんです。
なぜなら彼らは「荒廃したモノ」に対して
- 創造の自由
- 暴力の自由
- 無秩序であるがゆえの自由
を感じ取るからです。
ルールのない世界ならどこで何を作っても文句を言われる筋合いがないし(創造の自由)、ムカつく人間どもを徹底的にいじめ抜くことだってできるし(暴力の自由)、勝手に町を作って自分にとって都合のいいルールを新たに決められる(無秩序であるがゆえの自由)。
「荒廃したモノ」から自由を感じとる回路が、たまたま観た映画とかゲーム動画や、フォールアウトやスタルカーシリーズ(S.T.A.L.K.E.R.)のようなゲームの影響で作り上げられた……という仮説。
あくまで仮説ですよ。でも、「荒廃」というフィルターを通して自由を感じとれる人間は地球上にめちゃくちゃいると割とマジで思ってます。だって自分がそうですし。フォールアウト4に歓喜してる人たちの多くもたぶんそうなんだと思います。え、ちがう?
人によってはGTA5のような世界こそが自由の象徴かもしれないし、どうぶつの森こそが自由の象徴かもしれない。
しかしフォールアウトのような世界の”自由感”は群を抜いて魅力的。やっぱり「政府から解放されてる感」がいい。あと、核兵器が落とされた世界のえげつなさをユーモアで中和してくれているのもいいですよね。
人間の心の奥底には「ヒャッハーしてえ!」という欲求が隠れている。「社会のしがらみから解放されたい」「世界破滅しろ!」といった欲求を持っている。
だからその欲求に答えたフォールアウトシリーズは売れる。フォールアウト4も確実に売れる。そうなるはず。ま、大作は普通バカ売れしますけどね。
まーそのつまり、荒廃=自由=天国ってことです。一部の人にとっては。自由=無限の可能性と言い換えてもいい。
このワクワクは遺伝子のいたずらか?
核兵器で無残に破壊された都市。枯れ木。ガレキと廃墟。うまくクラフトすれば使えそうなボロパーツ。それらに無限の可能性を感じる回路が、脳の中に存在している。
だから荒廃した世界をみるとワクワクが止まらない。
普通は「今までのフォールアウトシリーズが楽しかったから最新作も楽しいはず」という期待でワクワクする。
ただしそのワクワクは「荒廃を自由だと感じる回路」を通って作られたものなんだと思う。そしてその回路はある時期に偶然作られたはず。たまたまフォールアウトシリーズに興味をもって、プレイしたりしてね。
でも、そもそもなぜフォールアウトシリーズに興味を持ったのか?
トレイラーが魅力的だったのか?
宣伝がうまくいったからなのか?
ただ単にオープンワールドに自由を見出しただけなのか?
それは分かりません。
一つ理由があるとすれば、やはり一部の人間の脳には「荒廃=自由=天国」という回路が遺伝子レベルで組み込まれているからでしょう。
だからフォールアウトシリーズに興味を抱いてしまった。フォールアウトシリーズの面白さを知ってしまった。だから今、フォールアウト4に熱狂している。
例外は多数あるはずです。ま、一つの説としてこういったものもあるんじゃないかと。そう思うんです。